共通テスト教科再編 2025年から「情報」追加 7教科21科目に

「大学入学共通テスト」を実施する大学入試センターは、2025年以降、出題教科に新たに『情報』を加え現在の6教科30科目から7教科21科目に再編する結論をまとめたと発表しました。

合わせてサンプル問題を初めて公表しました。
(記事の終わりに「情報」と「公共」のサンプル問題を掲載します)

ことし1月に初めて実施された大学入学共通テストをめぐり、新しい学習指導要領で学ぶ今の中学2年生が受験する2025年以降について、大学入試センターは現在の6教科30科目を7教科21科目に再編する結論をまとめたとして、24日会見で発表しました。

具体的には、
▽「国語」「数学」などに並ぶ出題教科に、プログラミングなどを学ぶ『情報』が新設されるほか、
▽「地理歴史」「公民」の2教科では、従来の科目が『歴史総合』や『地理総合』、『公共』などに再編され、これらのサンプル問題も初めて公表されました。

また試験にパソコンなどを活用することについては、質の高い受験環境の整備や、トラブル防止などの観点から、安定的な実施は難しいとして2025年からの導入は見送られました。

この内容については、今後、文部科学省の検討会で審議され、ことし夏ごろに正式に決定される見通しです。

大学入試センターの白井俊試験・研究統括補佐官は「問題作成の期間が短く研究段階での作問となったが、1月に行われた共通テスト同様、思考力や判断力を問う問題を引き続き重視した。新たな学習指導要領では、自分で問いを立て、探求する学習を掲げているが、それをマークシート式で問うイメージを示した」と話しています。

新たな7教科21科目とは?

大学入試センターの発表では、2025年以降、大学入学共通テストは現在の6教科30科目から7教科21科目になるとしています。
▽『国語』は現在と同じ、「国語」の1科目。

▽『地理歴史』『公民』の2教科は、現在は「世界史A」「日本史B」「現代社会」など合わせて10科目から、最大2科目を選択することになっています。

再編案では、「地理総合、地理探究」「歴史総合、日本史探究」「歴史総合、世界史探究」「公共、倫理」「公共、政治・経済」、それに地理歴史と公民を組み合わせた、「地理総合、歴史総合、公共」の6科目から最大2科目を選択することになります。

▽『数学』は、現在の6科目が「数学I、数学A」「数学I」「数学II、数学B、数学C」の3科目に、
▽『理科』は「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」「物理」「化学」「生物」「地学」の8科目を、基礎の4つを1科目にまとめ5科目にするとしています。

▽『外国語』は、「英語」「ドイツ語」「フランス語」「中国語」「韓国語」の5科目のままとなっています。

▽これに新設される『情報』が加わることになります。

一方、
▽数学と同じ時間に行われてきた「簿記・会計」と「情報関係基礎」は出題科目からなくなりました。

今回の変更のもとになっている新しい学習指導要領では、高校で「情報」が必修化されプログラミングや情報セキュリティーなどを学ぶほか、「公共」では18歳選挙権の導入などを背景に、主権者教育など実際の社会の中で対応できる力を身につけることが求められています。

新設「情報」のサンプル問題は

今回新設された「情報」のサンプル問題は、情報技術の仕組みと利点などを問う内容になっていて、大きく3つのテーマで構成されています。

設問の1つでは、東日本大震災をめぐる通信確保に関する資料をもとに先生と生徒の会話を穴あきにして、情報技術の仕組みや情報社会と人との関わりについての理解を問う内容となっています。

この中には、あてはまるビット数などを数字で答えさせる問題もあります。

また別の設問では、選挙権年齢の引き下げで高校生にとっても身近になった選挙を題材に、比例代表選挙の得票から政党ごとの当選者数を求める配列を示して適切な回答を選択させるなど、プログラミングの力を問う問題も示されました。

専門家「論理的能力問う内容」

初めて公表された共通テストの『情報』のサンプル問題について一般社団法人「情報処理学会」の教育担当理事を務める、電気通信大学の中山泰一教授は「『情報I』の各領域からバランスよく問題が出されている。第1問は情報社会の問題解決や情報デザイン、それから情報通信ネットワークを、第2問はプログラミングを、第3問はデータ活用を問う内容になっている。大学入試センターのすべての領域をきっちりと勉強してきてほしいというメッセージが込められてると思います」と話していました。

そのうえで、「難易度も極めて難しいというものではなく、ごく標準的な問題が出ています。ただ、きちっと自分でプログラミングを書いたり、多くのデータを統計処理ソフトウェアで処理したりして仕組みを理解していることが必要になると思います。自分で論理的に考えて、問題に取り組む能力が問われています」と分析していました。

サンプル問題を掲載します

以下は公表された「情報」と「公共」のサンプル問題です。「情報」の問題の後に正解表があります。そのあと「公共」のサンプル問題、正解表と続きます。

【サンプル問題】 「情報」

【正解表】 サンプル問題「情報」

【サンプル問題】 「公共」

【正解表】サンプル問題 「公共」