外出自粛で高齢者の健康に深刻な影響 研究者らが情報発信へ

新型コロナウイルスの感染拡大で外出の自粛が続く中、特に高齢者の健康に深刻な影響が出ているとして、研究者や自治体、それにスポーツ関係者などが対策の重要性を訴え、今後、情報の発信などに協力して取り組んでいくことになりました。

23日東京都内で行われた会見には、高齢者の健康問題に取り組んでいる研究者や自治体の市長それにスポーツ関係者などが参加しました。

この中では筑波大学大学院の研究グループが行った調査結果が発表され、外出が減って他人と会話をする機会が少なくなった結果、「物忘れが気になるようになった」という人が60代以上でおよそ30%に上り、高齢者の認知機能に深刻な影響が出ている実態が紹介されました。

そして、「家に閉じこもって人と会わなくなる時間が長くなると認知症になるリスクが高くなる」として、感染対策を十分にしたうえで人と会って触れ合う機会を持つことが、心身の健康につながると訴えました。

会見には2011年のサッカー女子ワールドカップで優勝した日本代表「なでしこジャパン」の元メンバー安藤梢さんも参加し、「家にこもるだけではなく運動したり人と関わったりすることも必要だと思うが、外に出ることを怖がっている人も多くいる。知り合いのアスリートにも協力を呼びかけ今後、健康維持に向けたさまざまな取り組みに貢献していきたい」と話していました。