【宣言解除】飲食店の対応は 食事しやすいマスクで感染対策も

首都圏の1都3県への緊急事態宣言が解除され、22日から飲食店などへの時短営業の要請が緩和されていますが、飲食店では感染防止対策を強化して営業する一方で、廃業を決断する店も出ています。

大手ステーキチェーン 食事しやすい布製マスクを販売

大手ステーキチェーンが運営する東京・港区のレストランは、緊急事態宣言の間、時短の要請に応じて午後8時で閉店していたため、売り上げは去年の半分ほどまで落ち込みました。

この店では宣言の解除を受けて22日から営業時間を午後9時まで延長しますが、都内の感染者数が下げ止まっていることもあり、引き続き店内の消毒の徹底や客の希望に応じてアクリル板で仕切るなどの感染防止対策をとることにしています。
また、食事中も客にマスクをつけてもらうため、口元がめくれるようになっていてつけたままでも食事しやすいという布製のマスクも店内で販売しています。

ペッパーフードサービスレストラン事業部の丹保雅章次長は、「今までにない厳しい状況が続いたが宣言の解除で一筋の光が見えている。営業にあたっては感染防止を図りながらレストランににぎわいを生み出していきたい」と話していました。

経営の見通し立たず廃業決断する店も

千葉市中央区の居酒屋「えんまん」では、ことし1月に緊急事態宣言が出されて以降、時短営業では売り上げが期待できないとして店を休業してきました。

緊急事態宣言が解除され、22日から飲食店などへの時短営業の要請が午後8時までから午後9時までに緩和されましたが経営者の浦川裕幸さんは店の営業を再開することはせず、今月いっぱいで店を廃業することを決断したということです。
浦川さんは店の帳簿を見ながら、今年度1年間の売り上げは昨年度の半分以下にまで落ち込み、営業を再開しても客足が戻る見通しがないと説明していました。

そのうえで浦川さんは、「コロナで借金を抱えてしまった。感染がいつ収束するか分からず、感染者がまた増えていくかもしれないので、経営の見通しが立たない」と話していました。