【宣言解除】各地の観光地から期待の声 リバウンドへの懸念も

首都圏の1都3県に出されていた緊急事態宣言が解除されたことについて、全国各地の観光地から期待と不安の声が聞かれました。

静岡 熱海のワッフル店 “感染対策を徹底したい”

首都圏に近い観光地の静岡県熱海市のJR熱海駅前では、高校の卒業旅行で埼玉県から訪れたという10代の女性が「本当は遠出をしたかったが、感染の心配もあるので、首都圏から近い熱海にした。消毒などを徹底して楽しむ」と話していました。

また、神奈川県から訪れた高校を卒業したばかりの10代の男性は「関西に行きたかったが、近場で感染リスクの低い熱海を選んだ。感染が広がる心配はあるが、宣言が解除されてうれしい」と話していました。

駅前の商店街にあるワッフル専門店では、感染対策を徹底したいという声が聞かれました。

この店は、22日で開店から1年がたちましたが、外出自粛の影響で思うように集客ができなかったということです。

緊急事態宣言の解除を受け、店では客にワッフルのテイクアウトを勧めるほか、出入り口を換気するなど感染対策を徹底して観光客を迎えることにしています。
「メリエンダ」の早田由香里代表は「生まれ育った熱海に貢献しようとお店を始めたがこの1年間経営が厳しく、地元の方々の応援できょうまで続けることができた。これ以上、感染が広がらないようお客様には対策を呼びかけたい」と話していました。

三重 伊勢の土産物店「期待大きい分、リバウンド怖い」

三重県伊勢市の伊勢神宮周辺では訪れる人の増加を期待する声や感染のリバウンドを懸念する声が聞かれました。

三重県伊勢市の伊勢神宮周辺では、例年に比べると少ないものの、午前中から散策をする観光客の姿が見られ、周辺の店舗の人たちなどからは、期待や不安の声が聞かれました。

内宮の近くで客待ちをしていたタクシーの運転手は「にぎやかにならないとタクシーを利用してもらえないので、客が戻ると思うし歓迎しています。給料も減っているので、前のように普通に仕事をしたい」と話していました。

また、内宮近くの「おはらい町」にある土産物店の従業員の女性は「お客さんが戻ってくる期待が大きい分、感染のリバウンドが怖いという不安もあります」と話していました。

屋台の店長は「期待と不安と難しい気持ちです。年明けから厳しい状況が続いていたので、早く収束してほしいです」と話し、豆腐店の店長は「人が増えると感染リスクが怖いので、引き続き感染対策を十分に徹底して営業していきたいです」と話していました。

埼玉 川越 観光案内所が再開

蔵造りの町並みが残り「小江戸」ともいわれる埼玉県川越市では22日から観光案内所が再開し、多くの人でにぎわっていました。

川越市内の4つの観光案内所は、緊急事態宣言を受けてことし1月9日から臨時休業していましたが、22日から業務を再開しました。
このうち川越駅前の観光案内所では、訪れた観光客に蔵造りの町並みや地元の飲食店などを紹介していました。

川越市の観光協会によりますと、今月に入ってから観光客も次第に増えているということで、22日も着物姿の女性など多くの人でにぎわっていました。

観光案内所では、「密」を避けて町歩きを楽しんでもらおうと、多くの人が訪れる蔵造りの町並みだけでなくさまざまな見どころを町歩きのコースに加えて、11種類のマップで紹介しています。
観光案内所の野村真理子さんは、「蔵造りの町並みなどの観光名所のほかにも楽しめる場所はたくさんあるので、『密』を避けながら観光を楽しんでもらいたい」と話していました。

神奈川 箱根の宿泊施設 宣言解除に合わせキャンペーン

宣言解除の初日の22日、箱根の玄関口、箱根湯本駅前では、卒業旅行などで訪れた若者らの姿が多く見られました。

このうち、同級生らと訪れていた高校3年生の女子生徒は「本当は京都に旅行しようと計画していたんですが、解除はされたものの新型コロナのことを考えて、神奈川県内の日帰りに変更しました」と話していました。

駅前にあるスイーツ店の店長の男性は「宣言が解除されて、少し安心した気持ちがある一方で、感染者の減少が鈍化しているので不安です。感染症対策を万全にして営業していきたいです」と話していました。
一方、宿泊施設の「ホテルインディゴ箱根強羅」では、宣言の解除に合わせて大浴場のスクリーンに桜をモチーフにしたデジタルアートを映すなど、桜にちなんだキャンペーンをきょうから始めました。

桜の花見が自粛ムードにあるなかで、利用客に少しでも春の気分を楽しんでもらおうとするもので、ポール・ツジ総支配人は「週末に予約が入り始めてうれしく思っています。自粛でストレスを感じている人も多いと思うので、桜を見てストレスを発散してもらえれば」と話していました。

東京 上野公園 “密”予防でメインの通りを片道通行に

サクラの名所の一つ上野公園では人どうしの接触を少しでも減らそうとメインの通りを片側通行にしていて訪れた人たちは歩きながら見頃を迎えた花を眺めたり、カメラやスマートフォンで撮影していました。

公園を訪れた千葉市に住む20代の男女は、「コロナで去年自粛して来れなかったので、ことしは来れてよかったです。これからは密にならない程度にほどほどに遊べたらいいかなと思います」と話していました。

また、さいたま市に住む29歳男性は「歩きながら桜が見れるのは最高です。緊急事態宣言が明けたのはちょっと早いと思いますけど、ここは密にならないのでいいんじゃないかと思います」と話していました。

また、家族で訪れた都内に住む40歳の男性は、「外に出る機会が少なく花を見る機会も減っているので、久しぶりに桜を見るときれいだと感じました。緊急事態宣言が解除になったからといってすぐに2年前のような生活するんじゃなくて、去年の反省を生かしてまた次の緊急事態宣言が出ないように気をつけて生活していきたいと思います」と話していました。