新型コロナ “母子感染”の可能性 国内初確認か

新型コロナウイルスに感染した妊婦から生まれた赤ちゃんで、母子感染の可能性がある事例が1件あったことが日本小児科学会などのグループの調査で分かりました。赤ちゃんの健康状態に問題はなかったということです。

赤ちゃん 生まれた直後のPCR検査で陽性

この調査は、日本大学医学部小児科の森岡一朗主任教授らを中心とした日本小児科学会のグループが全国の小児科のある医療機関を対象にアンケートを行い、1124の施設から回答を得ました。

それによりますと、去年8月末までに全国31の施設で、新型コロナウイルスに感染した妊婦から合わせて52人の赤ちゃんが生まれていて、このうち1人の赤ちゃんが出産直後のPCR検査で陽性となったということです。

このほかの51人の赤ちゃんは、いずれも陰性でした。

陽性となった赤ちゃんは、健康状態には問題が無かったということで、母子感染だったとみられるということです。

グループによりますと、海外の研究で、新型コロナウイルスで母子感染したとみられるケースは数%程度の頻度で報告されているということで、国内では初めてだということです。
調査を行った森岡主任教授は「母親から赤ちゃんに感染する可能性は低く、症状も軽いため、過度に心配する必要はないが、日本でもゼロではないことが分かった。妊娠している女性は日頃から十分な感染対策をとってほしい」と話していました。