東京 原油先物 1年2か月ぶり高水準 ワクチンで経済回復に期待

東京原油市場では、新型コロナウイルスのワクチン普及による経済回復への期待感などから原油の先物価格が感染拡大前の水準まで上昇しています。これに伴ってガソリン価格も値上がりしており、専門家は景気への影響を注意深く見ていく必要があるとしています。

東京原油市場では、去年11月から原油の先物価格の上昇が続き、取り引きの中心となることし8月ものは、今月8日に1キロリットルあたり4万4700円まで上昇しました。

その後も4万円台での取り引きが続いていて、新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大する前の去年1月以来、1年2か月ぶりの水準となっています。

背景には、新型コロナウイルスのワクチン普及による経済回復への期待に加え、主な産油国が大規模な増産を見送り、国際的な原油価格が上昇していることがあります。

これに伴って、ガソリン価格も値上がりしており、今月15日時点でのレギュラーガソリンの全国平均の小売価格は、1リットルあたり147.3円で16週連続で値上がりしています。

野村証券、シニアエコノミストの大越龍文さんは「原油価格が上がり続けると宅配などの輸送コストにも反映されてくる。景気に悪影響を与えかねない状況で、注意深く見ていく必要がある」と話しています。