宣言解除後も感染再拡大防ぐ対策を 全国知事会が緊急提言

首都圏の1都3県に出されている緊急事態宣言が21日で解除されるのを前に、全国知事会は会合を開き、政府に対し、感染の再拡大を防ぐため警戒を緩めず感染防止対策を徹底することや、改正特別措置法で新たに設けられた「まん延防止等重点措置」を柔軟に活用することなどを求める緊急提言をまとめました。

全国知事会の会合はオンライン形式で開かれ、およそ30人の知事が参加しました。

この中で、神奈川県の黒岩知事は「1都3県もようやく解除となったが、気持ちとしてこれで一気に解放だとはとてもならない。しっかりとブレーキをかけながら、飲食の場で感染が広がらないように『マスク飲食』の徹底などを呼びかけたい」と述べました。

埼玉県の大野知事は「感染者数は下げ止まりどころか、再度増加の兆候すら示している。県が設定した宣言解除の目安に達していない中での解除となったが、段階的な緩和にしっかり取り組むことが必要になる」と述べました。

ま大阪府の吉村知事は、政府が宣言解除後の5本柱の対策の1つにあげている、感染拡大の予兆をつかむための無症状者を対象にしたモニタリング検査について「大阪で先行して実施しているが、サンプル数が少なく、今のままでは機能せず、やっている感しか出ない。検査の対象を飲食店の従業員の無症状者に絞ることを提案したい」と述べました。

会合ではこのあと、政府への緊急提言を取りまとめ、感染の再拡大を防ぐため警戒を緩めず感染防止対策を継続するよう国民への呼びかけを強力に行うことや、大規模なPCR検査や積極的疫学調査に対して財政支援を行うとともに改正特別措置法で新たに設けられた「まん延防止等重点措置」を柔軟に活用することを求めています。

また、緊急事態宣言の対象外の地域や飲食業以外の業種にも実効性のある経済雇用対策を公平に講じることやワクチンの医療従事者への優先接種をできるかぎり速やかに完了し、高齢者の接種に円滑に移行を図ることなども求めています。

小池知事6回連続で欠席に会長「支障はない」

会合のあと、全国知事会の会長を務める徳島県の飯泉知事は、東京都の小池知事が去年9月に出席して以来、緊急対策本部の会合を6回連続で欠席していることについて、記者団に対し「東京の感染者が再拡大していた時期で、首都圏の中で対策をいかに講じるか、さまざまな対策を国とどう図っていくかに頭がとられていったのではないか」と述べました。

そのうえで「全国知事会としての取りまとめには東京都にも打診して意見を反映させているので支障はない。政策として全国知事会が1つにまとまって対応していくことが、政府や国民から求められているという点は共有されていると思っている」と述べました。