WHO「アストラゼネカのワクチン接種と血栓に相関関係なし」

アストラゼネカなどが開発した新型コロナウイルスのワクチン接種後に血栓が確認されたことを受けて、調査を行っていたWHO=世界保健機関の諮問委員会は、接種と血栓に相関関係はないとする調査結果を公表しました。

アストラゼネカなどが開発したワクチンをめぐっては、接種後に血栓が確認された例があるなどとして、ドイツやフランスなどヨーロッパで予防的な措置として接種を一時、見合わせる動きが相次ぎ、ワクチンの安全性を調査するWHOの国際的な諮問委員会は、各国からの報告を調査してきました。

委員会は19日声明を発表し「現段階では、ワクチンの接種によって血栓が増えるとは言えない」として、相関関係はないとする見解を示しました。

そのうえで、各国に対して、すべてのワクチンの安全性について引き続き、監視していくよう呼びかけました。

WHOのテドロス事務局長は、19日の定例の記者会見で「新型コロナウイルスは死をもたらす病気で、アストラゼネカなどが開発したワクチンはそれを阻むことができる。各国に対し、この重要なワクチンを使い続けることを求める」と述べ、WHOなどが主導するワクチンを世界に公平に分配する枠組みでも、供給を続けていく考えを強調しました。

このワクチンをめぐっては、18日にEMA=ヨーロッパ医薬品庁が安全であるとの見解を発表し、これを受け、フランスやドイツなどが接種を再開しています。