新型コロナ 嗅覚異常の検査キットを開発 順天堂大など

新型コロナウイルスに感染すると早い段階からにおいを感じにくくなる症状が出る場合があることから、嗅覚が正常かどうかを簡単に判定できる検査キットを順天堂大学などのグループが開発しました。これは順天堂大学医学部の池田勝久主任教授などのグループが発表しました。

グループによりますと、海外の研究では、新型コロナウイルスに感染した人の80%以上で嗅覚に何らかの異常がみられたという報告がありますが、ごく軽い場合は自分では気がつかないことも多いということです。

開発した検査キットは、つんとする刺激などにおいの感覚と紛らわしい反応が起こりにくい、青リンゴやカラメルのようなにおいの香料を容器に入れたもので、正常な嗅覚の人がぎりぎり感じ取れる濃度に調整しているということです。

グループの調査で、50歳以上になるとにおいを感じにくくなることが分かったことから、検査キットも50歳未満用と50歳以上用に分かれています。

グループによりますと、新型コロナウイルスでは発熱などの症状が出ていない場合や検査では陽性とならないごく初期の段階でも、嗅覚に異常が出ることがあるということです。

会見した池田教授は「嗅覚障害は新型コロナに特徴的な症状だが、一般の人が自分で客観的に調べられる方法はこれまであまり無かった。感染の早期発見に役立つはずだ」と話していました。