安倍前首相元秘書に不起訴不当の議決 東京の検察審査会

「桜を見る会」の前日夜に開催された懇親会をめぐる問題で略式起訴された安倍前総理大臣の元公設第1秘書について、東京の検察審査会は政治資金収支報告書の原本が廃棄されていることを理由に、刑事告発された容疑の一部を検察が不起訴にしたのは納得できないとして「不起訴は不当だ」と議決しました。

「桜を見る会」の前日夜の懇親会をめぐっては、平成27年からおととしまでの5年間の費用の総額がおよそ2300万円に上り、このうち800万円以上を安倍氏側が負担していたことが明らかになり、東京地検特捜部は去年12月、懇親会を主催した政治団体「安倍晋三後援会」の代表だった元公設第1秘書を懇親会の収支を報告書に記載しなかった政治資金規正法違反の罪で略式起訴しました。

刑事告発は平成27年から5年分の不記載が対象になっていましたが、特捜部は選挙管理委員会が報告書の原本を保管していた平成28年から4年分の不記載の罪で略式起訴していました。

これについて東京第5検察審査会は「元公設第1秘書は平成27年分の不記載も認めており、ネットで報告書の写しも公表されている。原本が廃棄されていたとしてもほかの証拠から不記載は認定できるため、一般市民の感覚では納得できない」として「不起訴は不当だ」と議決しました。

さらに議決では「このような事態を避けるために不記載の時効が完成するまで報告書の原本を廃棄しないよう法律や運用を改める必要がある」と指摘しています。

これを受けて特捜部は再び捜査を行い、平成27年分の不記載について元公設第1秘書を起訴するか改めて判断することになります。

一方、この問題で安倍前総理大臣が不起訴になったことについても市民グループが「重大な事実誤認があり著しく不当だ」として検察審査会に審査を申し立てています。