米FRB 経済見通し上方修正も2023年までゼロ金利維持の見通し

アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会は17日まで開いた金融政策を決める会合で、アメリカ経済の見通しをこれまでより大幅に上方修正しました。一方で、リスクは残っているとして、今のゼロ金利政策は再来年・2023年末まで続くという見通しが維持されました。

FRBは17日までの2日間、金融政策を決める会合を開き、ゼロ金利と量的緩和からなる今の大規模な金融緩和策を維持することを決めました。

また、会合の参加者18人による経済や金利の見通しを公表し、ことし第4四半期時点の経済成長率がプラス6.5%と、前回、3か月前の4.2%から大幅に上方修正されました。

一方、注目された政策金利の見通しでは、今のゼロ金利政策が再来年・2023年末まで続くとする参加者が11人となり、人数はやや減ったものの、前回までの見通しが維持されました。

アメリカでは、新型コロナウイルスのワクチンの普及や大型の経済対策によって景気の回復ペースが速まることで、大規模な金融緩和が想定より早く正常化に向かうとの見方も出ていますが、FRBは声明の中で「経済見通しにはリスクがある」とし、当面は今の金融緩和を継続して経済を支えていく方針を強調しました。

FRB パウエル議長「回復にばらつきあり、先行きも不透明」

FRBのパウエル議長は会合のあとの記者会見でアメリカ経済は回復基調にあるとしつつ「回復にはまだばらつきがあり、完全にはほど遠く、先行きも不透明だ。特に労働市場への人々の参加率が感染拡大前の水準を大きく下回っている」と述べ、予断を持たずに景気の先行きを見ていく考えを強調しました。

市場では、景気の回復に伴って、今の金融緩和策のうち、量的緩和の規模を縮小させる時期に注目が集まっていますが、これについてパウエル議長は「経済状況がしっかりと改善していることを示すデータが確認できたときには可能なかぎり前もって量的緩和縮小の方向性を伝える」と述べるにとどめました。