首都圏1都3県の緊急事態宣言 21日で解除の方向で最終調整 政府

首都圏の1都3県で継続している緊急事態宣言について、政府は医療提供体制が改善していることなどから、今月21日の期限で解除する方向で最終調整を進めていて17日、専門家などでつくる諮問委員会に意見を求めたうえで、正式に決定することにしています。

首都圏の1都3県で継続している緊急事態宣言は、今月21日に期限を迎えます。

これを前に総理大臣官邸では、菅総理大臣が西村経済再生担当大臣や田村厚生労働大臣らと会談し、宣言の扱いについて詰めの協議を行いました。

政府は、1都3県の新規感染者数は下げ止まっているものの、医療提供体制は改善していることなどから、21日の期限で宣言を解除する方向で最終調整を進めています。

そして17日、感染症の専門家などでつくる諮問委員会を開き、政府の方針を示して意見を求めたうえで、衆参両院の議院運営委員会に菅総理大臣も出席して報告と質疑を行い、対策本部で正式に決定することにしています。

ことし1月からおよそ2か月半にわたって出されていた緊急事態宣言は、すべて解除される見通しとなりました。

加藤官房長官「専門家の意見も伺いながら検討」

加藤官房長官は午前の記者会見で「きょう午後、厚生労働省の専門家会合で直近の感染状況について専門家が議論する。緊急事態宣言の取り扱いの考え方は新規感染者数、病床の利用率などをしっかり勘案するとしていて、専門家の意見も伺いながら検討していきたい」と述べました。

西村経済再生相「専門家に意見を聴いて判断」

西村経済再生担当大臣は参議院予算委員会で「厚生労働省と1都3県の知事が連携し、病床の確保に努めてきていて、数字は改善してきている。確実に『ステージ3』以下になるのかや、再拡大に備えた準備についても見極めたうえで、専門家に意見を聴いて判断していきたい」と述べました。

自民 下村政調会長「宣言が解除でも対策継続を」

自民党の下村政務調査会長は記者会見で「宣言が解除されても、継続してしっかり対策を講じていく必要がある。飲食店に対する営業時間の短縮要請や、テレワークの推進のほか、幅広いモニタリング検査、感染拡大の兆しをつかんだ場合の『まん延防止等重点措置』の活用などを考えるべきだ」と述べました。

立民 平野選対委員長「解除なら具体策提起を」

立憲民主党の平野選挙対策委員長は記者会見で「首都圏の感染者数は、週単位で見ると先週より増えているし、変異ウイルスの脅威もある。宣言を解除するのであれば、決して感染拡大のリバウンドを起こさないという責任のある決意を示し、そのための具体策を提起すべきだ」と述べました。

公明 竹内政調会長「まん延防止等重点措置も手段の1つ」

公明党の竹内政務調査会長は記者会見で「政府の判断に任せたいが感染者数が下げ止まっていることを心配する声が多く、変異ウイルス検査の拡大や検疫体制の強化という手立てもしなければならない。解除されたとしても、その後『まん延防止等重点措置』を活用することも有力な手段の1つでないか」と述べました。

維新 馬場幹事長「解除は当然 単純に延長 何の効果もない」

日本維新の会の馬場幹事長は、記者会見で「解除は当然ではないか。今の緊急事態宣言は全然機能していない。すでに社会は動き出しており、このまま単純に延長しても何の効果もなく、経済を守るほうが優先度が高くなっている。いまやるべきは1日も早いワクチン接種と重症者用ベッドの確保などだ」と述べました。

共産 穀田国対委員長「宣言解除には反対」

共産党の穀田国会対策委員長は記者会見で「感染者数が下げ止まりから増加に転じていることも踏まえ宣言の解除には反対で、まずはどうすれば感染拡大を抑えられるのか政府として道筋を示すべきだ。また大規模検査や事業と雇用を継続できるだけの補償などに対応していくことが必要だ」と述べました。