柏崎刈羽原発 テロ対策に不備で原子力規制委員会が原因解明へ

新潟県にある柏崎刈羽原子力発電所でテロリストなど侵入者を検知する設備が複数壊れていたことがわかり、原子力規制委員会の更田委員長は深刻な事案だとして、東京電力に対し、長期に及ぶ追加検査を行うなどして原因を解明する考えを示しました。

東京電力の柏崎刈羽原発ではことし1月、テロリストなどの侵入者を検知する設備を作業員が誤って壊し、これをきっかけに、原子力規制委員会が検査を行ったところ、去年3月以降、複数の検知設備が壊れていたことがわかりました。

規制委員会は長期間、不正な侵入を許す状態になっていたとして核物質防護などに関わる4段階評価の中で最も深刻なレベルに当たるとの暫定評価を16日示しました。

これについて東京電力は16の検知設備で故障があり、代替措置をとったものの10の設備で対策などが不十分だったと規制委員会から指摘されたことを明らかにしました。

この問題について規制委員会の更田豊志委員長は16日、深刻な事案だとしたうえで「東京電力には第三者機関の評価を踏まえた報告書を6か月以内に出してもらう。また追加の検査で原因が意識の問題か技術や知識の問題か、また管理者の指示や責任はどうなっていたのかなどを把握しなければならない」などと述べ、追加検査は1年以上かかるだろうとの見通しを示しました。

また、東京電力の処分についてはテロ対策上、いきさつの詳細など明らかにできないこともあるとしながらもできるだけ公開の会合で決めるとしました。

柏崎刈羽原発をめぐっては去年9月に社員が中央制御室に不正に侵入したことがわかり東京電力は小早川社長など幹部の処分を先月発表したばかりでした。

また、安全対策工事が完了していなかったことも判明し、東京電力は当初ことし6月には営業運転に入れるとしていた7号機の再稼働の工程を未定と変更しています。

専門家「東電の管理体制に欠如」

柏崎刈羽原子力発電所で不正侵入を防止する検知設備が去年3月以降、壊れていた可能性があることについて、旧原子力安全・保安院で検査を担当するなど、原子力の安全性に詳しい政策研究大学院大学の根井寿規教授は「原発はテロ対策などで不正侵入を検知するために監視カメラなど複数の機器が備えられている。重要な設備であり、今回のことは正直、信じられない話だ。東京電力のメンテナンスの仕組みと管理体制の欠如があったと考えられる」と指摘しています。

そのうえで「原子力規制委員会はテロ対策の観点から徹底した原因究明を東京電力に求めるとともに社内で管理体制が構築できているのか、厳しくチェックしていく必要がある」と話しています。