日米2プラス2 中国の「海警法」に懸念 一方的行動に反対で一致

日米の外務・防衛の閣僚協議、いわゆる「2プラス2」がアメリカのバイデン政権発足後初めて行われました。中国の「海警法」に深刻な懸念を示すとともに、東シナ海などでの現状変更を試みる一方的な行動に反対することで一致しました。

茂木外務大臣、岸防衛大臣、アメリカのブリンケン国務長官、オースティン国防長官による日米の外務・防衛の閣僚協議、いわゆる「2プラス2」は午後3時すぎからおよそ1時間半、外務省の飯倉公館で行われました。

この中で4人の閣僚は、台頭する中国をめぐって意見を交わし、中国の行動は既存の国際秩序に合致せず、日米同盟や国際社会にさまざまな課題を提起しているという認識で一致しました。

そのうえで、中国が海上警備にあたる海警局に武器の使用を認める「海警法」を施行したことに深刻な懸念を示し、東シナ海や南シナ海での海洋進出を「現状変更を試みる一方的な行動だ」として反対することで一致しました。

また、沖縄県の尖閣諸島がアメリカによる防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の適用対象であることを改めて確認し、尖閣諸島に対する日本の施政を損なおうとする一方的な行動に引き続き反対していくことを確認しました。

このほか、4人の閣僚は台湾海峡の平和と安定の重要性や北朝鮮の完全な非核化に向けた日米韓3か国の協力拉致問題の即時解決、それに宇宙、サイバーなどの領域での協力を深めていくことなども確認しました。

そして、今後もオーストラリアやインドをはじめとする価値観を共有する国と連携して自由で開かれたインド太平洋を推進していくことで一致し、年内にも改めて「2プラス2」を開くことになりました。
茂木大臣は共同記者会見で「インド太平洋地域の戦略環境は以前とは全く異なる次元にあり、日米同盟の抑止力、対処力の強化に向けた方針をじっくり議論できたことは極めて有意義であり、日米同盟の強固さを力強く発信するものだ」と述べました。
岸大臣は「アメリカ軍と自衛隊がより高度な2国間、および多国間の演習を実施していく必要性で一致した。訓練の実施を通じて高い能力を獲得し、共に行動している姿を示していくことは重要なことだ」と述べました。

ブリンケン国務長官「対北朝鮮政策 日米韓が連携」

アメリカのブリンケン国務長官は、日米の外務・防衛の閣僚協議、いわゆる「2プラス2」のあとの共同記者会見で、対北朝鮮政策に関して日本とアメリカ、韓国の3か国で連携して取り組むことが最も重要だという認識を示しました。

ブリンケン国務長官は、対北朝鮮政策に関して現在、政権内部で多角的に再検証しているとしたうえで「私の判断では日米韓の3か国での協力関係が今後、最も重要になってくる。北朝鮮に対応するうえで戦略的に優位に立てる方策はこの同盟関係以外になく、この問題に効果的に取り組むためには同盟国どうし連携して対処する必要がある」と述べました。

そして「北朝鮮に対して追加の圧力を加える方法にどのようなものがあるのかや意味のある外交的な手段について検討している」と述べ、日本や韓国との協議を踏まえて数週間以内に新たな政策を取りまとめたいという考えを示しました。

また、ブリンケン長官は「非核化や人権侵害の問題、それに拉致問題の解決に向けて努力をしていきたい」と述べるとともに、拉致被害者の家族から手紙を受け取ったと明らかにし「とても力強く心を打つ内容だった」と話しました。

一方、ブリンケン長官は中国に関して「ミャンマーや香港、台湾、チベット、南シナ海など多くの場所で民主主義や人権、法の支配といった価値観が危機に陥っている」と述べました。

そして「各国がルールに従い、協力し、可能なかぎり相違点を平和的に解決するつもりだが、中国が威圧的で侵略的な行動に出た場合には反発する。インド太平洋地域はますます世界の地政学の中心となっていく」と述べ、自由で開かれたインド太平洋の維持に向けて同盟国や友好国との連携を強化していきたいという姿勢を示しました。

オースティン国防長官「結束を強化 満足のいく協議」

アメリカのオースティン国防長官は、日米の外務・防衛閣僚協議、いわゆる「2プラス2」のあと開かれた共同記者会見で「ともに直面する課題に対応するため、どのように結束を強めることができるかについて満足のいく協議となった」と述べました。

オースティン長官は、北朝鮮の核ミサイル開発や中国の東シナ海や南シナ海での挑発的な行動について協議したとしたうえで「中国に対する懸念は日本も共有している。今日の地球規模の変動のもとで競争していくためにはチームワークが重要で、それこそが日米同盟だ」と述べました。

また中国の台湾への軍事的な圧力に関して質問されたのに対し、オースティン長官は「われわれの強さは同盟として行動することだ。中国など同盟を脅かすものに対して、競争力を維持することが最終的な目標だ。より迅速に対応できるよう準備が整った状態にすることが私の仕事であり、正しい力をつけるためにどんなに早く動いても十分ではない」と述べました。