日米の外務・防衛の閣僚協議「2プラス2」終わる

アメリカのバイデン政権発足後初めてとなる日米の外務・防衛の閣僚協議、いわゆる「2プラス2(ツー・プラス・ツー)」が終わりました。東シナ海などでの中国による一方的な現状変更の試みを強くけん制する内容の成果文書がまとめられる見通しです。

茂木外務大臣、岸防衛大臣、アメリカのブリンケン国務長官、オースティン国防長官による日米の外務・防衛の閣僚協議、いわゆる「2プラス2」は、午後3時すぎから外務省の飯倉公館で行われました。

茂木外相「自由で開かれた国際秩序 大きな挑戦受けている」

冒頭、茂木大臣は「インド太平洋の戦略環境は以前とは全く異なる次元にあり、パワーバランスに変化が生じ、力による一方的な現状変更の試みや権威主義体制の伸長など、自由で開かれた国際秩序が大きな挑戦を受けている。国際秩序を維持し、地域の平和、安定、繁栄を確かなものとすることこそ、日米が結束して目指すべき戦略目標だ」と述べました。

岸防衛相「日米同盟さらに強固なものに」

また、岸大臣は「この10年間、日米同盟は着実に強化されたが、安全保障環境が厳しさを増す中、さらに強固なものにしていかなければならない。日米同盟の抑止力、対処力を強化するために、双方がとるべき具体的取り組みについて議論を深めたい」と述べました。

ブリンケン国務長官「日米同盟は地域 世界にとっての礎」

アメリカのブリンケン国務長官は「バイデン政権の閣僚として初めてとなる訪問先を日本にしたのは、日米同盟が、60年以上にわたって両国にとって平和と安全と繁栄の礎であるだけではなく、地域、ひいては世界にとっての礎になっているからだ」と述べました。そして、「同盟への約束を再確認し、さらに積み上げ、将来に向けて両国の国民のためになるようにしたい」と述べました。

また、「自由で開かれたインド太平洋地域で各国が共通の目的を効果的に追求するとともに立場の違いを平和的に解消し、国際法を尊重して多国間での協力関係をつくっていくうえで、日米関係は非常に重要だ」としたうえで「北朝鮮の非核化や、海洋上の安全保障など重要な課題に引き続き協力して取り組んでいく」と述べました。

オースティン国防長官「日米同盟は強固」

さらにアメリカのオースティン国防長官は「日米同盟は強固であり、自由で開かれたインド太平洋を維持するために日米がともに取り組み、将来の繁栄に向けて道筋を立てられることを期待している」としたうえで「われわれはより大きなチームでともに取り組むときが最も強力であると考え、だからこそ日本と密に協力している」と述べました。

16日は菅総理大臣とブリンケン、オースティン両長官との会談も予定されていて、日米両政府は、一連の会談を通じて「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて強固な日米同盟を内外に示したい考えです。

中国の「海警法」 懸念点と中国側の主張は

中国で海上警備を行う海警局に武器の使用を認めることなどを規定した「海警法」について、日本やアメリカは国際法上問題があると指摘しているのに対し、中国政府は「国際法に完全に合致している」と主張し、正当化しています。

先月施行された「海警法」では、武器の使用を認める範囲を中国の「管轄海域」と規定し、武器の使用の条件として、違法な活動を行う船が停船命令や立ち入り検査に従わない場合などと定めています。

このほか、領海などに違法に入った外国の船舶を強制的に排除する権限や、管轄する海域や島に外国の組織や個人が設けた建造物を強制的に取り壊す権限などを規定しています。

これについて、専門家などからは、武器使用の国際法上の根拠が不明確だとか、活動範囲を示す「管轄海域」の定義があいまいだなどという指摘が相次いでいます。

特に「管轄海域」については、国際法で定められた領海や接続水域、それに排他的経済水域のどれに当たるのか明確でなく、中国が周辺国と領有権を争う南シナ海の島々の周辺海域なども広く含めている可能性があるとして各国が懸念を強めています。

こうした懸念に対し中国の王毅外相は「特定の国を対象にしたものではなく国際法に完全に合致している。日本を含む多くの国が類似の法律を制定している」などと主張し、正当化しています。

中国の海警局は3年前の機構改革で、中国軍の指揮下にある武装警察の傘下に置かれました。

中国の全人代=全国人民代表大会の常務委員会はことしの活動報告で、海警法制定のねらいについて「『習近平強軍思想』を貫徹し、新時代の国防と軍隊建設の必要性に応えるため」と説明し海警局が軍事的な性格を持つことを鮮明にしていて、各国は警戒を強めています。

中国外務省報道官 日米両国の動きに警戒感示す

一方で、中国外務省の趙立堅報道官は16日の記者会見で「日米の交流と協力は、地域や国家間の相互理解や信頼を深めるべきものであり、アジア太平洋地域の平和と安定にとっても有益なものであるべきだ」と指摘しました。

そのうえで「第三国を標的にしたり、第三国の利益を損なったりしてはならない」と述べ、協議を通じて日米が中国をけん制することに警戒感を示しました。