総務省接待問題 谷脇前総務審議官が辞職

総務省の接待問題で、武田総務大臣は谷脇・前総務審議官を停職3か月の処分にしたことなどを明らかにし「深くおわび申し上げる」と陳謝しました。谷脇氏は16日付けで辞職しました。

総務省の幹部がNTTから違法な接待を受けていた問題で、武田総務大臣は閣議のあと記者団に対し16日付けで、
▽谷脇・前総務審議官を停職3か月、
▽巻口国際戦略局長を減給10分の1、2か月の懲戒処分にしたことを明らかにしました。

谷脇氏は衛星放送関連会社「東北新社」からの接待で減給処分を受けたのに続く処分で、武田大臣に辞職願を提出し16日付けで辞職しました。

武田大臣は「幹部職員が公務に対する信頼を著しく失墜させる行為を行い、職を辞するに至ったことは誠に遺憾だ。改めて総務大臣として深くおわび申し上げる。今後も正確に徹底的に真相究明を行うとともに再発防止を徹底し、行政に対する国民の信頼を取り戻すため先頭に立って全力で取り組んでいきたい」と述べました。

そして、武田大臣は谷脇氏の退職金について、本人の同意も得て当面支払いを留保することを明らかにしたうえで、谷脇氏からは退職後も調査の協力への同意が得られているとして調査への影響はないと強調しました。

一方、武田大臣は一連の接待問題で行政がゆがめられたことがなかったか検証するため、検察官出身の弁護士を座長とする第三者委員会を設置し、17日に初会合を開くと発表しました。

座長を含む4人の委員は行政学者、放送政策の専門家などすべて外部の有識者で構成するということで、武田大臣は「第三者の立場から客観的に公正に検証を進めていただきたい」と述べました。

谷脇氏とは

16日付けで辞職した谷脇康彦氏は、昭和59年に当時の郵政省に入省しました。

通信業界の担当が長く、総合通信基盤局の電気通信事業部で料金サービス課長や事業政策課長などを務め、端末の価格と通信料金を明確に分ける料金制度の導入では旗振り役を担いました。

内閣サイバーセキュリティセンターの副センター長などを経て、おととし12月、事務次官に次ぐナンバー2の総務審議官に就任し、菅政権が携帯電話料金の値下げを主要な政策として掲げる中、値下げに向けた「アクション・プラン」をとりまとめるなど、携帯電話業界の競争を促す政策を推し進めてきました。

谷脇氏は、衛星放送関連会社に勤める菅総理大臣の長男らから違法な接待を受けていたとして先月24日、懲戒処分を受けたのに続いて、NTTの社長らとの会食が明らかになったことで今月8日に大臣官房付に異動になり、事実上、更迭されていました。

「停職」処分の理由は

谷脇・前総務審議官は東北新社からの接待問題では「減給」の処分を受けていましたが、今回はそれより重い「停職」処分となりました。

その理由について、総務省は
▽広く報道され行政への信頼を低下させたことのほか
▽谷脇氏が東北新社の接待問題の調査の際に再三にわたり国家公務員の倫理規程に違反する事実をすべて報告するよう命令されていたにもかかわらず、NTTからの接待を報告していなかったことや
▽接待が継続的で金額が高額で悪質であることなどを挙げています。

菅首相「調査のうえで対策を」

菅総理大臣は総理大臣官邸で記者団に対し「公務員の倫理法に抵触することによって、そうした処分を受けたことは極めて遺憾であると思っている。いずれにしても総務省としても、第三者の方を入れて、しっかり調査をしたうえで今後の対策を行うことになっている」と述べました。

加藤官房長官「極めて遺憾だ」

加藤官房長官は閣議のあとの記者会見で「政府の幹部職員が倫理法令や国家公務員法に違反する行為により行政に対する国民の信頼を失墜させ、辞職に至ったことは極めて遺憾だ」と述べました。

一方、記者団から谷脇氏の国会での説明責任について問われたのに対し「民間の方になったということを前提に、まずは国会でお決めになるのだろう」と述べました。

公明 山口代表「第三者の視点入れた調査を」

公明党の山口代表は記者会見で「国会でみずからの接待について前言と異なるような事実が指摘されたこともあり、そうしたことを深く受け止めたうえでの判断と推測し厳粛に受け止めたい。大事なことは総務行政に対して失われた信頼をどう回復するかであり、総務省には、なお残る課題について第三者の視点を入れた調査を尽くしてもらいたい」と述べました。

立民 辻元副代表「逃げきろうとしていると思わざるをえない」

立憲民主党の辻元副代表は記者団に対し「辞めて追及から逃げきろうとしていると思わざるをえない。今までの総務省と政府の対応を見ているとトカゲの尻尾を1本、2本と切りながら『調査をしている』という説明でごまかそうとしている」と述べました。

また「東北新社」の外資規制違反をめぐる総務省と会社側の説明の食い違いについて「白黒つけたほうがいいと思うので当時、違反のおそれを報告したとされる『東北新社』の担当者と、総務省の鈴木・総合通信基盤局電波部長の証人喚問を求める」と述べました。

武田総務相「谷脇氏は信用失墜の責任感じ辞職」

谷脇前総務審議官が辞職したことで、16日予定されていた参議院総務委員会への出席は取りやめになりました。

委員会で、武田総務大臣は、谷脇氏が辞職にあたって「国民に大変な迷惑をかけ、行政に対する信用を失墜させるに至った責任をひしひしと感じている」と話していたことを明らかにしました。

また、野党側から、辞職によって国会への出席がなくなれば、問題が解明できなくなると批判されたのに対し、武田大臣は「谷脇氏も『今後もできるかぎり調査には真摯(しんし)に対応したい』と話している。国会での審議は国会が決めることだが、しっかりと対応していきたいと考えている」と述べました。

一方、大臣ら政務三役と幹部職員が利害関係者と会食することを禁止する内規を作るべきだと質問されたのに対し、武田大臣は「会食をするか、しないか以前の問題として、倫理法令をしっかりと順守するというのが全員に課せられたルールだ。1つのルールを守れない者が新たなルールを作って守れるのかという問題がある。倫理法令を改めて見つめ直して順守するという姿勢を持っていく」と述べ、否定的な考えを示しました。