若いがん患者 “AYA世代”の課題解決へ 21日まで関連催し開催

がん患者のうち、10代後半から30代は「思春期と若い成人」の英語の頭文字をとって「AYA(あや)世代」と呼ばれ、治療と学業や仕事との両立が難しいなど若い世代ならではの課題を抱えています。
各地の患者団体などは関連のイベントを集中的に行う「AYA week」を初めて開き、こうした課題の解決につなげたいとしています。

10代後半から30代でがんと診断される患者は毎年およそ2万人いますが、治療や支援の情報提供が十分ではなく、治療と学業や仕事との両立のための公的な支援が少ないなどの課題が指摘されています。

各地のがん患者や医師などで作る団体は課題の解決につなげようと、「AYA week」と銘打って今月21日までオンラインなどのイベントを集中的に開いています。

今月7日に開かれたイベントでは、若くしてがんになった人たちが、治療の10数年後に「晩期合併症」と呼ばれる副作用で脳梗塞になったことや、仕事を始めたばかりの時期に治療を受けるうえで経済的な不安があったことなどを語り、長期的な支援を訴えました。

期間中には、患者が体験を語る座談会や、治療や仕事、性などの悩みを話し合う会など、およそ80のイベントが開かれ、主催団体の代表をつとめる国立病院機構名古屋医療センターの堀部敬三上席研究員は「患者や医療関係者に限らず、少しでも興味を持った人は参加して、生の声を聞いてもらいたい」と話しています。

※URLは「https://ayaweek.jp/」

がん患者の生殖医療 国が来年度から費用補助へ

AYA世代など、若い世代のがん患者は抗がん剤や放射線治療の副作用で将来子どもを授かる可能性=「妊よう性」が損なわれることがあり、治療を受けるうえでの大きな課題になっていますが、国は、来年度からがん患者が卵子や精子を凍結保存する際にかかる費用について、補助する制度を始めることになりました。

「AYA week」にも関わるがん患者の団体などが要望していたのが実現した形で、若くしてがんになった女性は「子どもを持ちたいと考える患者にとって、経済的な理由で生殖医療を断念せずに済むことは非常によいことだと思う」と話しています。

新たな制度の対象となるのは、がん患者やがんと同じ治療薬を使う一部の自己免疫疾患などの患者で卵子や精子の凍結保存を行うときに43歳未満の人で、最大2回まで補助が受けられます。

1回の上限は、受精卵の凍結では35万円、卵子凍結では20万円、精子凍結では2万5000円などとなっていて、国は来月以降、準備が整った都道府県から補助を受けられるようにしたいとしています。

これについて「若年がん患者会ローズマリー」の世話人で、25歳のときに血液のがん、悪性リンパ腫の治療を受け、抗がん剤の副作用で妊よう性が失われた多和田奈津子さんは「私は新しい出会いがあっても相手に子どもができないことを伝えれば去ってしまうのではないかと考えてしまい、恋愛や結婚にすごく後ろ向きになった。子どもを持ちたいと考える患者にとって、経済的な理由で生殖医療を断念せずに済むことは非常によいことだと思う。合わせて生殖医療を受けるためにがん治療が遅れても悪い影響が出ないのかなど、患者本人や家族が質問でき、相談できる体制を整えることが重要だ」と話しています。

20日にはオンライン交流会も

今月20日には「AYA世代」のがんの経験者や家族、医療関係者、それに教育関係者などが参加するオンラインの交流会も開催されます。

時間は午後7時からで、自己紹介やフリートークのほか、AYA世代ならではの悩みなどについて幅広く意見を交わす予定です。

主催するのはNPO法人の「ゴールドリボン・ネットワーク」や「若年性がん患者団体STAND UP!!」で、参加を希望する場合は以下のURLから無料で申し込めます。

※URLは「https://forms.gle/xBiCQvZEyTmYMhfZ6」