東日本大震災10年で国際学会「震災後文学」“記憶継承に重要”

東日本大震災から10年に合わせて、震災を扱った文学作品について研究者らが語り合う国際学会が開かれ、作家や詩人たちが放射能汚染の危険性などを表現した作品が、今後も震災の記憶の継承に重要な役割を担っていくと指摘されました。

この学会は「震災後文学」とも呼ばれる東日本大震災を扱った文学作品をテーマに13日、フランスの2つの大学が主催してオンラインで開かれ、ヨーロッパや日本の研究者や学生らが参加しました。

この中でフランス国立東洋言語文化大学のアンヌ・バヤール=坂井教授は、海外では震災が原発事故と結び付けて歴史的な出来事として語られてきたと話しました。

そのうえで、震災直後からみずからの感情をつづった詩をツイッターで投稿し続け、英語やフランス語でも詩集を出版している福島県出身の詩人、和合亮一さんの詩など、作家や詩人たちが放射能汚染の危険性や地震の恐ろしさなどを表現した作品が、今後も震災の記憶の継承に重要な役割を担っていくと指摘しました。
また、震災後文学の研究を続ける津田塾大学の木村朗子教授は、震災から10年が経過し「震災後文学」の書き手の表現に変化が見られ、これまではフィクションを中心にしてきた作家たちが、被災地に出向いて現地の人たちの声をまとめたノンフィクション作品を次々に発表していることなどを紹介しました。