イタリア 変異ウイルス拡大 日中の外出制限など規制拡大へ

イタリア政府は、新型コロナウイルスの変異ウイルスの感染拡大を受けて15日から、日中の外出制限を含む、厳しい規制の対象地域を広げる方針を発表しました。

イタリアでは、この1週間に報告された感染者の数が前の週に比べて15%近く増え、保健当局はヨーロッパで広がる変異ウイルスが感染拡大を招いているとみています。

12日、首都ローマ近郊のワクチンセンターを訪れたドラギ首相は「危機的な事態から1年以上がたったが、残念ながら感染の新たな波に直面している」と述べて、規制を強化する方針を明らかにしました。

具体的には、現在3つの州に出されている最も厳しい規制措置をほかの州にも拡大させるというもので、地元メディアは、ローマのあるラツィオ州など、半数以上の州が含まれると伝えています。

これらの州では、すでに導入されている夜間の外出制限に加えて去年の春と同様に日中も外出が制限されるほか、飲食店やほとんどの小売店の営業は原則として禁止され、学校もすべて閉鎖されます。

一方、イタリアでは特定の時期に製造されたアストラゼネカのワクチンについて、接種後に深刻な健康への影響が報告されたとして、接種を一時的に見合わせています。

これについてドラギ首相は「あくまで予防的な措置だ」と強調し、ほかの時期に製造されたアストラゼネカのワクチンや他社製のワクチンについては予定どおり接種を進め、1日当たりの接種回数を今の17万回から3倍に増やすとしています。