アストラゼネカのワクチン タイ首相への接種 急きょ延期

イギリスの製薬大手、アストラゼネカなどが開発したワクチンについて、一部の国が接種の見合わせを決めたことを受けて、タイ政府は、12日予定されていたプラユット首相への接種を急きょ延期すると発表しました。

EUの医薬品規制当局は11日、EUとその周辺の国で、アストラゼネカなどが開発したワクチンを接種したあとに、血栓が確認されたとして一部の国が接種を見合わせたことを受けて、調査を進めていることを明らかにしました。

こうした中、タイ政府は12日記者会見を行い、12日朝予定されていたプラユット首相への、このワクチンの接種を急きょ延期し、国民への接種も見合わせると発表しました。

会見をした保健当局の担当者は「ワクチンに問題があると言っているわけではなく、EUの調査結果を待ちましょうということだ」と述べました。

タイでは、中国の製薬会社「シノバック」が開発したワクチンの接種が先月から始まっていて、アストラゼネカなどが開発したワクチンも緊急使用が許可されて12日、プラユット首相が最初の接種を受け、その後、医療従事者などへも接種が行われる予定でした。

タイは、ワクチンの接種で、東南アジアのインドネシアやシンガポールと比べて遅れているなどとして、国民から批判の声も上がっていたため、今回の延期を受けて、接種のスケジュールにさらに遅れが出るのではないかと懸念されています。