接待問題の東北新社 子会社の衛星放送事業の認定取り消しへ

総務省の幹部らを接待していた衛星放送関連会社「東北新社」が4年前、放送法の外資規制に違反した状態だったにもかかわらず、事実と異なる申請を行って衛星放送事業の認定を受けていたことがわかったとして、武田総務大臣は、子会社が継承している衛星放送事業の認定を取り消す方針を明らかにしました。

衛星放送事業は総務省の認定が必要で、申請する企業は、放送法で議決権のある株式の外資比率が20%未満であることが条件となっています。

菅総理大臣の長男が勤め、総務省の幹部らを接待していた衛星放送関連会社「東北新社」は、2017年10月に外資比率が20%を超え、法律に違反した状態だったにもかかわらず、子会社に事業を継承していたことが明らかになり、総務省が経緯を調べていました。

武田総務大臣は12日朝、これまでの調査で、東北新社が事業の認定を受けた2017年1月の時点で、すでに外資比率が20%を超えていたにもかかわらず、20%未満だと事実と異なる申請を行い、そのまま総務省が認定していたと説明しました。

そのうえで「東北新社が2017年1月に受けた認定に重大な瑕疵(かし)があったと判断し、取り消しに向けて必要な手続きを進めていくことにした」と述べ、現在、子会社の「東北新社メディアサービス」が継承している事業、BS4K放送の「ザ・シネマ4K」の認定を取り消す方針を明らかにしました。

武田大臣によりますと、東北新社は総務省に対し「当時の外資比率を20%未満と報告したことはミスだった」と説明しているということです。

一方、総務省が事実と異なる申請を認定していたことについて武田大臣は「総務省側のチェックが十分でなかったと考えており、別途必要な対応を検討していく」と述べました。

聴聞を行ったうえで認定取り消す方針

総務省は来週17日に「東北新社メディアサービス」から聴聞をおこなったうえで、BS4K放送の「ザ・シネマ4K」の認定を取り消す方針です。

認定が取り消されると衛星放送での「ザ・シネマ4K」の放送はできなくなります。

一方、その時期については視聴者保護や技術的な問題などを確認したうえで決めるということです。

東北新社 総務省調査に「単純ミス 恣意的ではない」

これまでの総務省の調査に対し、東北新社は事実と異なる申請を行ったことについて「担当部局が外資比率の計算方法を十分に理解していなかったことによる単純なミスで、恣意的(しいてき)ではない」と説明しているということです。

総務省によりますと、衛星放送事業の認定の取り消しは2007年に長期間にわたって放送ができなくなった事業者に対して行って以降、2度目だということです。

今回の問題を受けて総務省は、衛星放送事業の認定を受けているすべての事業者の外資比率を確認したところ、規制に違反しているところはなかったということです。

加藤官房長官「客観的で公正な検証を」

加藤官房長官は閣議後の記者会見で記者団から「東北新社から総務省幹部が接待を受けていた影響をどう考えるか」と質問されたのに対し「これまでも国会などで行政がゆがめられたのではないかといった指摘がなされているが、疑念に答えるべく総務省で検事経験者を含む第三者の有識者で構成される検証委員会を立ち上げることにしている。客観的かつ公正に検証してもらえるよう、具体的な内容や方法についても有識者の意見を伺いながら準備が進められるものと承知している」と述べました。

公明 山口代表「厳しく問われるべき」

公明党の山口代表は党の参議院議員総会で「違法な状態を見抜けずに手続きを進めてしまったことは厳しく問われるべきだ。こうしたことが正されなければ国民の信頼を保つことはできない。総務省のみならず、ほかの行政にも厳格な運用を求めていかなければならないし、与党として厳しくチェックしていかなければならない」と述べました。

加藤官房長官「およそ650契約の衛星契約」

加藤官房長官は、午後の記者会見で「総務省で取り消しの手続きが進められているのは『東北新社メディアサービス』の『ザ・シネマ4K』チャンネルにかかる認定に関するもので、およそ650の衛星契約があるということだ。取り消しにあたっては、総務省で、受信者への周知と必要な措置をとるよう『東北新社メディアサービス』に要請をしていくものと承知している」と述べました。

東北新社「総務省からの処分に真摯に対応」

東北新社は「弊社の申請手続における誤った対応により、このような事態を招いたことを深く反省し、お客様をはじめ関係者の皆様に多大なご迷惑をおかけしておりますことを深くおわび申し上げます。今後は、総務省からの処分に真摯(しんし)に対応してまいります。当該認定以外の放送サービスについては引き続き継続いたします」とコメントしています。