ワクチン接種でアナフィラキシー 新たに12人 全員回復か改善

厚生労働省は、新型コロナウイルスのワクチンの接種を受けた12人について「アナフィラキシー」と呼ばれる重いアレルギー症状が新たに報告されたことを明らかにしました。全員、症状は回復するか、改善しているということです。

厚生労働省によりますと、アナフィラキシーが新たに報告されたのは、20代から50代までの医療従事者の男女合わせて12人です。

医療機関からの報告によりますと、12人は10日までにアメリカの製薬大手ファイザーなどが開発した新型コロナウイルスのワクチンを接種し、その後、頭痛や吐き気、じんましんなどの症状が確認されました。

最も遅い人で接種の40分後に症状が出始めたということで、全員、すでに症状は回復するか、改善しているということです。

7人は医薬品や食物のアレルギーの既往があったということです。

11日午後5時までに国内で接種を受けた18万741人の医療従事者のうち、アナフィラキシーが報告されたのは37人で、およそ4900人に1人の割合となっています。

厚生労働省は12日午後、専門家部会を開いて、接種との因果関係などを検証する方針です。

専門家「医療機関が早期に対応か」

新型コロナウイルスのワクチンの安全性などを評価する厚生労働省の専門家部会の委員で、埼玉県立小児医療センターの岡 明 病院長は「経過観察の1人を除いた11人は比較的軽い症状のうちに速やかに治療を受けて改善しており、医療機関が早期に対応していると考えられる。予診での十分な既往歴の確認や、情報提供をどのように進めるかなどをしっかり議論したい」などとしています。