東京都心 オフィス空室率5%超 5年8か月ぶり テレワーク定着で

新型コロナウイルスの感染拡大に伴うテレワークの定着で、オフィスを集約する動きが続いていることから、東京都心のオフィスの先月の空室率が、5年8か月ぶりに5%を上回ったという調査結果がまとまりました。

オフィス仲介大手の「三鬼商事」は毎月、1フロアの面積が100坪以上あるオフィスビルの空室率や賃料などを調査しています。

それによりますと、先月、東京都心の5つの区にあるオフィスビルの空室率は、平均で前の月より0.42ポイント上がって5.24%でした。

オフィスビルの業界では、空室率が5%を超えると借り手が優位になり、賃料が下がる目安になると言われていて、今回、この目安を上回ったことになります。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴うテレワークの定着で、オフィスを集約する動きが続いているためで、都心の空室率が5%を上回るのは2015年6月以来、5年8か月ぶりです。

内訳を見ますと、港区が6.88%、渋谷区が5.55%と、テレワークを導入しやすいIT企業が多いとされる区の空室率が特に高くなっています。平均の賃料は一坪当たり2万1662円で、7か月連続の値下がりとなりました。

このほかの主要な都市の空室率は、仙台市が6.29%、福岡市が4%、名古屋市が3.97%などとなっていて、いずれも前の月より上昇しています。

調査した会社は「貸しオフィスは数年単位での契約が多いため、更新の時期に合わせて今後、空室率が上昇する可能性がある」としています。