ワクチン接種の男女8人に新たに「アナフィラキシー」報告

厚生労働省は、新型コロナウイルスのワクチンの接種を受けた男女8人に、新たに「アナフィラキシー」と呼ばれるアレルギー症状が報告されたと明らかにしました。全員、症状は改善しているということです。

厚生労働省によりますと、新たにアナフィラキシーが報告されたのは、20代から50代までの医療従事者の男女合わせて8人です。

医療機関からの報告によりますと8人は、9日から10日にかけて、アメリカの製薬大手ファイザーなどが開発した新型コロナウイルスのワクチンを接種し、その後、吐き気やめまい、頭痛などの症状が確認されました。

全員、症状は改善しているということです。

8人全員が▽食物や医薬品などのアレルギーか、▽ぜんそくや糖尿病といった基礎疾患などがあったということで、12日厚生労働省の専門家部会が接種との因果関係を調べることにしています。

10日午後5時までに国内で接種を受けた14万8915人の医療従事者のうち、アナフィラキシーが報告されたのは25人で、およそ6000人に1人の割合となっています。

専門部会の委員2人がコメント

新型コロナウイルスのワクチンについて、安全性などを評価する厚生労働省の専門家部会の委員2人がコメントを発表しました。

このうち専門家部会の部会長をつとめる東京医科歯科大学の森尾友宏教授は、「これまでに報告された人について、アナフィラキシーに該当するかも含めて詳細を検討し、海外の発生状況との比較なども行いたい」などとコメントしています。

また、埼玉県立小児医療センターの岡明病院長は、「全員にアレルギー関連疾患の既往があり、改めて既往歴の丁寧な聞き取りが大切だ。接種前の申告でどのような点に注意したらいいかなど、一般の方々への適切な情報提供についても検討していきたい」などとしています。