火星の謎に迫る

火星の謎に迫る
太陽系で太陽に近いほうから4番目の惑星、「火星」。最新の調査で次々と新しいことがわかってきました。どんな星で、生命は存在するのか?火星の謎に迫ります!

NASAの火星探査車 生命探査へ

2021年2月、NASA=アメリカ航空宇宙局の火星探査車「パーシビアランス」が火星に着陸しました。探査の最大の目的は、生命の痕跡を見つけることです。探査車が撮影した画像には、平たんな地表に石のようなものが写っています。搭載されたマイクで「風の音」とされる音も録音されました。
最新の画像や音も届き、関心が高まっている火星は入試問題にもなっています。

問題に挑戦!

問題
火星は赤くかがやいていますが、それはなぜかア~エから選びなさい。

ア.さそり座のアンタレスのように自分で光を出しているが、温度が低いため赤く見える
イ.夕焼けのように火星の大気の層が太陽の光を一部反射して赤く見える
ウ.火星表面の酸化鉄(さびの成分)が太陽の光を反射して赤く見える
エ.どろ水が火星表面をおおっていて、それが太陽の光を反射して赤く見える

(桜蔭中学校 2004年)
正解は「ウ」です。
火星の表面にある岩石は酸素と結びついた鉄(さび)を多く含むので、太陽の光を反射して赤く見えるといいます。

火星は地球の兄弟?

火星とは、どんな星なのか?火星の生命探査について詳しい東京大学の鈴木庸平准教授に話を聞きました。
鈴木さん
「ひと言でいうと“海を失った地球”。内部の構造は火星と地球は同じ。“地球の双子”と呼ばれている」
火星は地球と同じく岩石でできていて、二酸化炭素を中心とする薄い大気に覆われています。

火星の生命探査の歴史

火星に生命は存在するのか?
火星の生命探査は、どのように進んできたのでしょうか。
鈴木さんによると、1960年代に望遠鏡などを使って調査が行われた結果、火星の平均温度はおよそマイナス60度で大気も薄いことが判明。水や生命の存在はないと考えられていました。
ところが1970年代以降、探査技術が進歩する中で、河川のような地形の痕跡が発見されました。40億年前、火星には水があり、生命が存在する可能性が出てきたのです。
40億年前に地球と同じ何かが生きていたとすると、今も火星に、表面だけでなくて、何らかの形で生き続けているかもしれないということでしょうか。
鈴木さん
「そう考えている研究者は多いです。最近、地球の岩の中の微生物の研究で、火星に近い環境の岩の中で、ものすごい数の微生物が暮らしているということがわかってきました。火星は一見すると全く生き物がいない“死の世界”に見えるけれど、実は岩の中は、“生命に満ちあふれているかもしれない”ということが期待されています」

「風」がヒントに

そうした中、始まった今回のNASAの探査。火星の風の音が録音されましたが、この「風」が生命の痕跡を見つけるヒントになると鈴木さんはいいます。
鈴木さん
「風というのは生命の探索にとっても大事な要素。火星には、ある一部だけが地上に水がしみ出しているのではないかという場所があって、地上に水があるということは生き物がいるかもしれない。風がそういうのを運んでいると、どこの土ぼこりをとっても生き物の痕跡が見つかるかもしれない」
NASAでは今後、およそ2年にわたり、生命の痕跡を見つけるための探査を行う予定です。
鈴木さんは、人類が火星に移住する研究も加速すると期待しています。
鈴木さん
「地球外の天体で人類が居住する空間をつくることは究極の夢ですね。実際それが実現するとしたら、まだ先で、30年後か40年後かわからないけれど、そのころには人類は火星を住みかとしている状況になっているのではないか」
鈴木さんいわく、火星の生命の痕跡を探ることは私たち地球上の生き物の起源を探ることでもあるそうです。地球上で生命が誕生した40億年前の環境はすでに失われていますが、火星には、そのころの生き物の痕跡や岩石などが残っているといいます。
我々の最も古い先祖が「DNAを複製して子孫を残す」、その非常に複雑なしくみがどうやって誕生したのかはわかっていません。
火星の生命探査の試みが、地球の生命の起源をめぐる謎を解き明かしてくれるかもしれません。
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