河野規制改革相 “7回接種可能な注射器の調達も検討”

新型コロナウイルスのワクチンをめぐり、河野規制改革担当大臣は別の用途で使用されている針で1つの容器から7回分の接種が可能だという指摘について「適切に接種できることを担保してもらいたい」と述べたうえで、政府としてもこの針の調達を検討する考えを示しました。

アメリカの製薬大手、ファイザーなどが開発した新型コロナウイルスのワクチンをめぐっては、接種回数を増やすため、1つの容器から6回の接種ができる特殊な注射器の確保が課題の1つになっています。

これに関連して、ワクチン接種を担当する河野規制改革担当大臣は「京都府宇治市の病院が『特殊な針を使えば7回接種できる』と発表したということで、これはおおいにやっていただきたい。ただ針が短いので、適切に接種できることを担保してもらいたい」と述べました。

そのうえで河野大臣は「この針はインスリンの注射用で、使用頻度が高いという話も聞いている。そういう方にご迷惑をかけないよう、余剰分があれば、調達も考えうると思って指示しているところだ」と述べ、政府としてもこの針の調達を検討する考えを示しました。

田村厚労相 “対応できる医療機関は対応を”

田村厚生労働大臣は、閣議のあとの記者会見で「ファイザー社も否定していない一方で、インスリン用は皮下注射のため針が短いことから、脂肪が少なく、筋肉まで届く人でなければ使えない。また、注射器の数も限られ、そもそもインスリンを打つために使われているわけなので、全国それで対応するという話ではなく、対応できる医療機関は、しっかりと筋肉に必要な量を注射できるということを前提に対応してほしい」と述べました。

加藤官房長官 「国として広く推奨する予定はない」

加藤官房長官は、午後の記者会見で「各医療機関で適正な接種を担保することが必要であり、国として7回分の接種の方法を広く推奨する予定はない。したがってワクチンの供給スケジュールに変更が生じるとも考えていない」と述べました。

また、記者団から、異なる注射器が併用されることで現場に混乱が起きる可能性はないかと問われたのに対し「それぞれの医療機関や地域が、現場における混乱がなく、いかに円滑に接種が進むかという観点で選択していくのではないか」と述べました。

公明 山口代表「現場が対応できるか心配」

公明党の山口代表は、記者会見で「『7回分とれます』といきなり言われても、現場が本当に対応できるのか心配だ。二転三転するようなイメージが生じないよう、しっかり準備したうえで国民に伝えていくことが必要だ。政府には、現場が対応できるような準備と発信を心がけてもらいたい」と述べました。