米 カジノ運営会社 ラスベガスの施設売却 アジアに注力へ

アメリカやアジアでカジノなどの統合型リゾート施設を運営する「ラスベガス・サンズ」は、新型コロナウイルスの感染拡大で売り上げが落ち込む中、アメリカ ラスベガスの施設を売却し、アジアでの事業に力を入れることを明らかにしました。

「ラスベガス・サンズ」が3日に発表した声明によりますと、ラスベガス中心部の統合型リゾートをアメリカの投資会社などに62億5000万ドル、日本円で6680億円余りで売却することで合意しました。

この施設は「ベネチアン」という通称で知られ、カジノのほかホテルや大規模な会議場などを備えたラスベガスの象徴の1つとして、多くの観光客やビジネス客が訪れてきました。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大を受けてカジノが一時休業に追い込まれるなど経営環境が悪化し、会社は去年、日本円で1800億円余りの最終赤字となっていました。

声明では「アジアは当社にとっての屋台骨だ」として、今後、シンガポールとマカオにあるカジノなどの経営に力を入れる方針を示しています。

「ラスベガス・サンズ」は一時、日本への進出にも意欲を示していましたが、去年「日本以外での成長機会に注力する」として、参入を断念することを発表しました。