コロナ影響で閉店 柴又の老舗料亭 葛飾区 跡地取得へ調整

映画「男はつらいよ」にも登場した東京 柴又の老舗料亭が新型コロナウイルスの影響で閉店したことを受け、地元の葛飾区は跡地を取得し、文化を発信する拠点として活用する方向で調整を進めていることが分かりました。

東京 葛飾区の「柴又帝釈天」の近くにある料亭「川甚」は創業231年の歴史を誇りながら、新型コロナウイルスの影響で客が激減したことなどから、ことし1月に閉店しました。

「川甚」は夏目漱石や谷崎潤一郎などの多くの文学作品に登場するほか、映画「男はつらいよ」では、寅さんの妹、さくらの結婚披露宴の舞台になったことでも知られています。

葛飾区は料亭は文化的な価値が高く、今後、跡地にマンションなどが建設されれば歴史的な景観が損なわれるおそれがあるとして、跡地を取得する方向で料亭側と協議を進めていることが分かりました。

跡地について区は、柴又の文化を発信する拠点としての活用を検討しているということです。

葛飾区の青木克徳区長は「閉店は残念なことだが、川甚を含めた柴又地域を重要文化的景観や、寅さんのふるさととして可能なかぎり、保存、活用していきたい考えで、取得に向けての協議を継続していきたい」とコメントしています。