ワクチン優先接種 千葉県内の一部の医療機関で始まる

千葉県は、県内およそ20万人の医療従事者を対象にした新型コロナウイルスのワクチンの優先接種を3日から一部の医療機関で開始しました。

新型コロナウイルスのワクチンの接種は、国が先月から全国100の医療機関のおよそ4万人を対象に進めている先行接種に続き、今週からはおよそ470万人の医療従事者に対する優先接種が本格的に始まります。

およそ20万人の医療従事者に対する優先接種を予定している千葉県では3日、千葉市の「千葉大学医学部附属病院」で、県内で初めてとなる優先接種が行われました。

接種に臨んだ医師や看護師など11人は、最近1か月以内の発熱がないかや薬などで重いアレルギー症状を起こしたことがないか、医師の問診を受けたうえで接種を受けていました。

11人は接種のあと、15分以上会場で待機してワクチンの副反応が出ないか体調を確認していました。

接種を受けた50代の男性医師は「ふだんの予防接種と痛みは変わらなかった。ワクチンを打つことでよろいをまとったような気持ちだ。毎日診療に向かうに当たって安心感があります」と話していました。

千葉大学医学部附属病院の横手幸太郎病院長は「これまでコロナに対して防戦一方だったが、反撃の一つの手段であるワクチンを接種できたことは医療現場の安心につながる。今後、より質の高い医療を提供することにつなげたい」と話しています。

千葉大学医学部附属病院では、接種前後の血液を比較してワクチンによる抗体の変化などを確認する研究も行うことにしていて、3日は接種前に採血も行っていました。

次回の採血は6週間後に行うということです。

「先行接種」開始から2週間 接種後の経過は…

医療従事者を対象にした新型コロナウイルスのワクチンの先行接種が始まってから2週間がたちました。

接種を受けた千葉県内の病院の看護師3人がNHKの取材に応じ、接種後の経過や心境の変化について話しました。

新型コロナウイルスのワクチンは先月17日から全国100の医療機関のおよそ4万人を対象にした先行接種が始まり、2日の午後5時までに3万4772人が1回目の接種を終えています。

これまでにおよそ200人が1回目の接種を受けた千葉県市原市の千葉労災病院では、接種が始まってから3日で2週間が経過しました。

病院によりますと、接種後、ほとんどの人が接種を受けた部分の痛みを訴えましたが、これまでのところ重大な副反応は確認されていないということです。

接種を受けた看護師3人が3日、NHKの取材に応じ、接種後の経過や働くうえでの心境の変化を語ってくれました。

このうち、新型コロナの専用病棟で働く女性看護師は「誰も試したことがないワクチンなので、副反応で仕事に支障がでないか不安はありましたが、痛みが少しあっただけで発熱やだるさなどはなく過ごすことができています。これまでの研究結果では1度の接種でも一定程度、効果があるという話も聞こえてくるので、病棟で働くうえでの気持ちは少し軽くなったと思います」と話していました。

また、別の女性看護師は「接種した日の夜に肩に痛みやだるさがあり、このまま痛みが強くなったら嫌だなと思っていましたが、今は全く痛みはなく、ワクチンを打ったことを忘れるくらい普通に過ごしています。ワクチンが広がることで日常生活や医療現場が元どおりに戻ることを期待しています」と話しています。

さらに、男性看護師は「ワクチンを打っても100%感染しないということではないので、今も感染には気をつけて生活をしています」と話していました。

この病院では今月10日から2回目の接種を始めることにしています。