海外の石炭火力発電事業への新規融資は困難 国際協力銀行総裁

温室効果ガスの排出削減が国際的な課題となる中、政府系金融機関「国際協力銀行」の前田匡史総裁は、海外の石炭火力発電事業の新たな融資の要請に応じるのは難しいという考えを示しました。

国際協力銀行は日本企業が関わる海外のエネルギー事業への融資を行っていて、去年12月には海外の投資家などから温暖化を進行させるなどの批判が起きているベトナムの石炭火力発電事業「ブンアン2」について、民間の金融機関などとともに総額1800億円の融資を行うことを決めています。

これについて前田総裁は、2日開かれた定例会見で「ブンアン2は相対的に環境に優しい超々臨界圧という発電方式でやってきたもので、発展途上国を環境負荷の低い発電方式に誘導する支援の1つだ」と述べ、途上国への支援として必要な融資だったという認識を示しました。

ただ、日本の大手金融グループ各社は石炭火力発電所向けの融資を行わない方針を決めていて、前田総裁は「民間銀行が参加するのもブンアン2が最後になるのではないか。われわれとしても今後は新規の案件はない」と述べ、石炭火力発電事業の新たな融資の要請に応じるのは難しいという考えを明らかにしました。

一方、ミャンマーで抗議デモによって死傷者が増えるなど、緊張が高まっていることによるビジネスへの影響について、前田総裁は「日本企業を対象とした新規の支援の取り組みをすぐにやめるということは考えていない」と述べ、日本企業の進出支援などを直ちに止めることはないとしながらも、今後の情勢に注意を払う必要があるという考えを示しました。