国内の原発を今後どうすべきか?原発事故10年 NHK世論調査

東京電力・福島第一原子力発電所の事故から10年となるのを前に、NHKでは世論調査を行い、国内の原発を今後、どうすべきか尋ねたところ、全国では、「増やすべきだ」は3%、「現状を維持すべきだ」は29%、「減らすべきだ」は50%、「すべて廃止すべきだ」は17%でした。

NHK放送文化研究所では福島第一原発事故から10年になる前に原発や防災に対する考えを探るため去年の11月11日から12月18日にかけて、全国と岩手、宮城、福島3県の16歳以上4800人を対象に郵送法で世論調査を行い、65.4%にあたる3140人から回答を得ました。

このうち、全国は2311人、福島県は320人でした。

国内にある原発を今後どうすべきか?

原発事故のあと、原子力規制委員会は事故を教訓にした新しい規制基準を策定し、その審査に合格して再稼働した原発は、これまで全国で9基となっています。

また、廃炉となった原発は、東京電力の原発を除き11基となっています。

国内にある原発を今後、どうすべきか尋ねたところ、
▽「増やすべきだ」は全国が3%、福島県が1%、
▽「現状を維持すべきだ」は全国が29%、福島県が24%でした。

▽「減らすべきだ」は全国が50%、福島県が48%、
▽「すべて廃止すべきだ」は全国が17%、福島県が24%でした。

停止している原発の再稼働の賛否

現在、停止している原発の再稼働の賛否を聞いたところ、
▽「賛成」は全国が16%、福島県が14%、
▽「反対」は全国が39%、福島県が48%で「反対」は福島県の方が多くなっています。

▽一方、「どちらともいえない」は全国が44%、福島県が36%で全国の方が多くなっています。

避難計画策定の対象範囲

原発事故では、それまでの想定を大幅に超え、福島第一原発から30キロ以上の範囲に放射性物質が拡散しました。

事故後、国は原発からおおむね30キロ圏内の自治体に避難計画を策定するよう求めています。

対象をおおむね30キロとしていることについてどう思うか尋ねたところ、
▽全国では「範囲を広くすべきだ」と「30キロ圏内で妥当だ」が、ともに45%だったのに対し、
▽福島県では「範囲を広くすべきだ」が58%、「30キロ圏内で妥当だ」が31%で、全国よりも福島県の方が、「範囲を広くすべきだ」という人が多くなっています。

自治体の避難計画について

原発周辺の自治体の避難計画について、国は策定を支援するものの、審査の対象とはしていません。

これについてどう思うか尋ねたところ、
▽「国による審査も義務づけるべきだ」と答えたのは、全国で62%、福島県で64%となった一方
▽「策定の支援は必要だが、審査は必要ない」は、全国で30%、福島県で29%でした。

事故への不安を感じているか

原発で周辺の住民に影響を及ぼすような事故が起きるかもしれないという不安を感じているか尋ねたところ、
▽「大いに感じている」、「ある程度感じている」は、全国であわせて85%、福島県で89%、
▽「あまり感じていない」、「まったく感じていない」は、全国であわせて14%、福島県で10%となりました。

廃炉の工程は順調か

福島第一原発の廃炉に向けた作業について、工程は順調に進んでいると思うか聞いたところ、
▽「順調だ」、「どちらかといえば順調だ」は、全国、福島県ともにあわせて16%でした。

一方、▽「順調でない」、「どちらかといえば順調でない」は、全国、福島県ともにあわせて82%でした。

原発事故の全体像はどの程度明らかになっているか

原発事故については、直後に政府や国会などの委員会が事故検証にあたったほか、おととし原子力規制委員会が調査を再開し、近く報告書をとりまとめる予定です。

事故の全体像がどの程度明らかになっていると思うか尋ねたところ、
▽「かなり明らかになっている」、「ある程度明らかになっている」は、全国があわせて24%、福島県が28%でした。

▽「あまり明らかになっていない」、「まったく明らかになっていない」は、全国があわせて75%、福島県が71%でした。

処理水 海洋放出への賛否

福島第一原発では、汚染水から大半の放射性物質を取り除いた処理水が構内のタンクにたまり続けていて国の小委員会は海か大気への放出が現実的で海がより確実だとしていますが、最終的な処分方法は決まっていません。

この水を、放射性物質の濃度を国の基準以下に薄めた上で、海に流すことについて尋ねたところ、
▽「賛成」、「どちらかといえば賛成」は全国があわせて18%、福島県が24%でした。

▽「反対」、「どちらかといえば反対」は、全国があわせて51%、福島県が46%でした。

▽「どちらともいえない」は、全国が30%、福島県が28%となりました。

海洋放出の場合 福島県の魚介類は

この水を基準以下に薄めて海に流した場合、流通している福島県の魚介類についてどのように考えるか聞いたところ、
▽「安心だ」、「どちらかといえば安心だ」は全国があわせて12%、福島県が15%でした。

▽「不安だ」、「どちらかといえば不安だ」は全国があわせて64%、福島県が61%となりました。

▽「どちらともいえない」は全国が23%、福島県が24%でした。

海洋放出の場合 魚介類への風評被害は

また水を海に流すことで魚介類への風評被害が起きると思うか尋ねたところ、
▽「思う」、「どちらかといえば思う」と答えた人は、全国があわせて84%、福島県が87%で、
▽「思わない」、「どちらかといえば思わない」は、全国と福島県ともにあわせて2%でした。

▽「どちらともいえない」は、全国が12%、福島県が10%でした。