ゴールデングローブ賞 作品賞ドラマ部門に「ノマドランド」

アメリカのアカデミー賞の前哨戦とされるゴールデングローブ賞の授賞式が行われ、作品賞のドラマ部門では、中国生まれのクロエ・ジャオ監督の「ノマドランド」が選ばれました。また、外国語映画賞では、韓国からアメリカに移住した家族の行方を描いた「ミナリ」が選ばれました。

ゴールデングローブ賞は、ハリウッドで映画業界を専門に取材する外国人記者でつくる団体が選ぶもので、アメリカ映画界最大の祭典、アカデミー賞の前哨戦と位置づけられています。

発表と授賞式は例年は1月に行われていますが、78回目となることしは新型コロナウイルスの影響で2月28日の開催になりました。

また、密集を避けるため、会場はロサンゼルス近郊のビバリーヒルズとニューヨークの2か所となり、監督や俳優らはオンラインで参加しました。

作品賞のドラマ部門では、企業の破綻で住居を失い、車中生活を続けながらアメリカ各地を転々とする主人公の女性と行くさきざきで出会う人々との心の交流を描いた「ノマドランド」が選ばれました。

また、中国生まれで現在はアメリカを拠点にしているクロエ・ジャオ監督が、この作品で監督賞に選ばれました。

外国語映画賞では、農業で成功することを夢見て韓国からアメリカに移住した男性とその家族の行方を描いた「ミナリ」が選ばれました。

今回のゴールデングローブ賞では、日本の作品はノミネートの段階から選ばれませんでした。

監督賞 女性の受賞2人目 複数の候補は初

今回、監督賞を受賞したクロエ・ジャオさんは中国生まれの女性で現在はアメリカを拠点に活動しています。

アメリカメディアは、女性がゴールデングローブ賞の監督賞を受賞するのは、1984年に「愛のイエントル」で受賞したバーブラ・ストライサンドさん以来、37年ぶり、2人目だと伝えています。

AP通信は、監督賞にノミネートされた女性は去年までは、全部で5人しかいなかったとしたうえで「唯一の受賞者だったストライサンドさんにことしジャオさんが加わった」と伝えています。

ABCテレビは、最後に女性が監督賞にノミネートされたのは6年前の2015年だった一方、ことしノミネートされた5人のうち、ジャオさんを含む3人が女性だったとしたうえで「ゴールデングローブ賞の歴史で複数の女性が監督賞にノミネートされたのは今回が初めてだ」と伝えています。