米 国務長官が隣国を“バーチャル訪問” 対面会談に慎重姿勢

アメリカのブリンケン国務長官は「バーチャル訪問」と称して、オンラインでメキシコとカナダの外相らとの会談や国境の視察を行いました。ブリンケン長官は就任後最初の外国訪問だと位置づけていて、コロナ禍の中、対面での会談に慎重なバイデン政権の姿勢を改めて示した形です。

アメリカ国務省は26日、ブリンケン国務長官が首都ワシントンの国務省から隣国メキシコとカナダを「バーチャル訪問」したと発表しました。

このなかでブリンケン長官は、メキシコと国境を接する南部テキサス州の視察として現地の職員が撮影した入国審査の様子などを動画で確認しました。

そしてテレビ会議形式でメキシコとカナダの外相らとそれぞれ会談し、感染対策などについて協議しました。

カナダの若者たちとも気候変動への対策などをめぐって意見を交わしました。
ブリンケン長官はこれを就任後最初の外国訪問と位置づけていて、記者会見では「テクノロジーを使ってパートナーとつながり、実際に訪問した場合と同じことができた」と述べ、意義を強調しました。

バイデン大統領は今月23日に就任後最初の二国間会談としてカナダのトルドー首相とオンラインで会談しています。

日米関係の強化を目指す日本政府は菅総理大臣や茂木外務大臣の訪米を実現したいとしていますが、今回の「バーチャル訪問」はコロナ禍の中、外国政府の要人であっても対面での会談に慎重なバイデン政権の姿勢を改めて示した形です。