去年1年間の国内宿泊者数 前年から48%減少 新型コロナ影響で

去年1年間に国内のホテルや旅館などを利用した宿泊者は、前の年を48%下回り、ほぼ半減しました。現在と同じ方法で調査が始まった2010年以降で最も少なく、新型コロナウイルスの観光産業への影響の大きさを改めて示す結果となりました。

観光庁によりますと、去年1年間に、国内のホテルや旅館などを利用した宿泊者は延べ3億479万人で、前の年と比べて48%減少しました。

宿泊者の人数は、現在と同じ方法で調査が始まった2010年以降で最も少なくなりました。

このうち、外国人の宿泊者は、84%減って延べ1803万人と、東日本大震災が発生した2011年とほぼ同じ水準にとどまりました。

この結果、ホテルや旅館などの客室稼働率は、平均で34.6%と、前の年から28ポイント低下しました。

去年は1度目の緊急事態宣言が出た4月や5月に80%を超える大幅な落ち込みとなり、その後は、7月に始まったGo Toトラベルの効果もあって回復傾向が続いていました。

しかし、感染が再び拡大した12月は落ち込みの幅が拡大しました。

そして、26日発表された1月の速報値は、緊急事態宣言の影響で去年の同じ月を61%下回る大幅な落ち込みとなりました。

観光庁は、感染状況を見極めながらGo Toトラベルの再開を検討するとともに、観光事業者による感染症対策を支援する制度の拡充にも取り組むとしています。

長野県のスキー場 県内の客に期待

新型コロナウイルスの影響で長野県のスキー場では例年よりも客が大きく減少し厳しい状況が続いています。

首都圏の1都3県で緊急事態宣言が来月7日の期限をもって解除されたとしても旅行需要が回復するかは不透明だとして長野県が始めた県民限定の割り引きキャンペーンに期待を寄せています。

長野県山ノ内町の志賀高原は県内有数のスノーリゾートで、このうち、「横手山・渋峠スキー場」は、毎シーズン、6万人ほどのスキー客が訪れています。

新型コロナの影響でスキー客の数が落ち込むなか、スキー場では1月から近隣の12の宿泊施設と協力しリフト券と宿泊をセットで安く販売するなどして客を呼び込もうとしています。

しかし、今シーズンの客は例年の7割ほどにとどまっていて、スキー場は、「存続の危機」だと訴えています。

厳しい状況が続くなか、スキー場では今月19日から長野県が始めた、県民限定で1日リフト券を半額にするキャンペーンに期待を寄せています。

スキー場によりますと25日までの1週間で200人余りがキャンペーンを利用して訪れたということです。

利用した大学生の女性は、「安くなった分のお金は食費などに回すことができてありがたいです。キャンペーンを利用してまた来たいです」と話していました。

スキー場の小口喜久統括部長は、「危機感はあるが、キャンペーンを通じて県内の人に魅力を知ってもらい地域全体でスキー客を迎えたい」と話していました。