社会的に孤立する人を支援 関係省庁で連絡会議 立ち上げへ

新型コロナウイルスの影響が続く中、孤独や孤立の問題が深刻化しているとして、菅総理大臣は政府の会合で、社会的に孤立している人にさまざまな支援が行き届くよう、関係省庁による連絡調整会議を立ち上げる考えを示しました。

総理大臣官邸で開かれた会合には、菅総理大臣や坂本一億総活躍担当大臣のほか、自殺対策や子どもの貧困対策に取り組むNPOの関係者などが出席しました。

この中で、中学生のときに不登校になった経験があるタレントの中川翔子さんは「SNSで世界とつながることの大切さを感じている。子どもも大人も独り言でいいから好きなことを書ける場所が必要だ」と述べました。

また、生活に困っている人たちに食品を提供する「フードバンク」を運営する団体の米山広明事務局長は「コロナ禍以前と比べ、貧困とは無縁で普通に生活していた世帯や大学生が生活困窮に陥っている」と指摘しました。

このあと、菅総理大臣は「さまざまな支援が用意されているものの、制度の隙間に落ちていたり、支援を知るすべを持たなかったりすることによって、さらに孤独や孤立を高めているのではないかと思った」と述べました。

そのうえで「孤独を感じて社会的に孤立する方々に支援が行き届くよう、関係省庁の連絡調整会議を立ち上げしっかり支援していきたい」と述べました。
中川翔子さんは「新型コロナウイルスの影響で、子どもたちは学校行事に参加できないなど、大人以上に悩みが多様化していると感じる。悩みや傷に直接触れるのではなく、寄り添い一緒に笑うことは、友達や知り合いではなくても、SNSやネットを通じてできると思う。これから子どもたちの新しい悩みが増えていくと思うので、大人として何ができ、どう寄り添えるかを考えたい」と述べました。

インターネットで24時間無料の相談に応じる団体の大空幸星理事長は「孤独と孤立は全く違う問題であり、しっかりと定義を定めて、全国調査をしてもらいたい。若者など厳しい状況にある人たちの支援は、民間がアイデアを持っているので、定期的にフォーラムを開いて知見を生かしてもらいたい」と述べました。

「子ども食堂」などの取り組みを支援するNPO法人の湯浅誠理事長は「孤独や孤立は以前からの課題だがコロナで深まったことは確かだ。行政的な介入がしづらい分野で、これまで民間のつながりに任せ、家族や地域がそれなりに機能しているという前提で政策を打ってきたが、家族も地域もだいぶ弱ってしまっている。アフターコロナで対策を定着させ、より優しい、暮らしやすい社会になることを望みたい」と述べました。