衆院予算委中央公聴会 新型コロナや社会保障などで専門家意見

衆議院予算委員会は、新年度予算案などについて専門家から意見をきく中央公聴会を開き、午後は4人が、新型コロナウイルス対策や社会保障政策などについて意見を述べました。

このうち自民党が推薦した大正大学地域構想研究所の小峰隆夫教授は「全国民への10万円給付の大部分は貯蓄に回った可能性が高い。今後、同じような措置をとるのであれば、困窮世帯に的を絞るのが適当ではないか。Go Toキャンペーンについては、理想の政策は、旅行や外食に課税して得られた収入で業者を救う政策をやると、感染の防止と被害の救済、財政赤字の防止の3つが同時達成できる」と主張しました。
日本維新の会が推薦した名古屋商科大学大学院の原田泰教授は社会保障政策をめぐり「『ベーシックインカム=最低限の所得保障』は月7万円で、あまり水準が高くなければ、実現可能だ。現行の生活保護の水準と比べて極端に低いかというとそうではない。現実を見れば、生活保護は必要な人には届いていないし、労働すると生活保護を減らされてしまう、非常にやる気をそぐ制度であり『反成長政策』といってもいいのではないか」と訴えました。
公明党が推薦した日本感染症学会の元理事長で東京大学の岩本愛吉名誉教授は「国の危機管理のためには呼吸器感染症に対応できることが重要だ。検査の機器も消耗品も国産化を進めるべきだが、規格化が進まないかぎり、優れた国内企業の参入は望めない。ロボットや通信技術の粋を集め、保健所や検査機関、医療機関の優れたこまやかなヒューマンパワーと連動させるべきではないか」と指摘しました。
国民民主党が推薦した連合の逢見直人会長代行は「人々が安心して暮らし、経済活動にも力を入れるには、できるかぎり広くワクチンが接種されることが重要で、可能なかぎり早く十分な量の確保に努めていただきたい。接種会場までの移動が困難な住民も含めて、希望者が確実に接種を受けられるよう国が責任を持って支援し、接種を希望しない労働者に対する不利益がないようにするなど、丁寧な対応をお願いしたい」と述べました。