“糖質基準以下”の缶ビール 健康志向の商品 各社発売の動き

新型コロナウイルスの感染拡大で、飲食店向けのビールの売り上げが落ち込む中、サントリーは家庭向けの需要を取り込もうと「糖質ゼロ」の缶ビールの新商品を発表しました。ビール各社の間では消費者の健康志向に応える商品を投入する動きが活発になっています。

サントリービールは24日に、糖質を基準以下まで抑えた「糖質ゼロ」の缶ビールの新商品を発表しました。

麦芽のうまみを残し、アルコール度数を下げないまま糖質を取り除く技術を開発したということで、糖質が多く「太りやすい」と感じてビールを敬遠しがちな消費者の需要を取り込むねらいがあります。

この会社では、国内のビール系飲料全体の市場規模を推計していて、それによりますと去年、業務用ビールの販売量は新型コロナの感染拡大による飲食店の営業時間短縮や宴会の自粛などの影響で前の年に比べて42%減少しました。

一方で、缶ビールの販売量は推計で1%増えたということで、サントリービールの和田龍夫マーケティング本部長は「感染拡大後の時代は、味だけでなく健康に配慮した商品が求められている」と話しています。

ビール各社の間では健康志向の商品を発売する動きが活発になっていて、キリンビールが去年、主力のブランドで「糖質ゼロ」の缶ビールを発売したほか、アサヒビールは3月にアルコール度数を0.5%に抑えたビール風味の飲料を発売することにしています。

酒店でも健康志向の商品 売れ行き好調

飲食店の営業時間短縮や宴会の自粛などで業務用のビールの売り上げが落ち込む一方、小売りの現場ではいわゆる「巣ごもり需要」で家庭向けの缶ビールや第3のビールなどの売り上げが伸びる傾向にあります。

千葉県柏市にある酒の小売りの専門店では感染拡大以降、ビール系飲料の売り上げが感染の拡大前と比べておよそ2割伸びました。

なかでも糖質やプリン体を抑えた健康志向の商品や、アルコール度数を抑えた低アルコールやノンアルコールの商品の売れ行きが好調だということです。

客からは「自宅にいる時間が増えて運動する機会が減ったため、酒のカロリーを気にするようになった」とか「自宅で飲む機会が増えて量も増えたことから健康志向の商品に変えた」といった声が寄せられているということです。

「やまや東日本」の坂本隆洋さんは「以前から健康志向の商品の人気は高まっていたが、感染拡大で体重や健康を気にする人が増え、さらに需要が伸びている」と話していました。

ビールメーカー各社も、こうした需要を取り込もうと健康志向の商品を相次いで発表していて、キリンビールは去年10月に主力のブランドで「糖質ゼロ」の缶ビールを発売し、今月中旬までに想定を超える250万ケースを販売しています。

サッポロビールは去年6月、尿酸値を下げる成分を含んだノンアルコールビールを発売しています。