世界アンチドーピング機構 選手のワクチン接種「強く推奨」

東京オリンピック・パラリンピックに向けてWADA=世界アンチドーピング機構は23日、選手たちの新型コロナウイルスのワクチン接種を「強く推奨する」という見解を出しました。

新型コロナウイルスの感染拡大で、IOC=国際オリンピック委員会は東京大会に出場する選手たちのワクチン接種について参加の条件とはしないものの、推奨する姿勢を示しています。

一方で、選手からはワクチン接種にともなうドーピング検査への影響や接種後の副反応などを懸念する声も聞かれます。

これについてWADAは23日、新型コロナウイルスに関する選手向けの文書を発表し、このなかでワクチンについては「自身や周囲、一般の人々のためにワクチン接種を強く推奨する」という見解を示しました。

そのうえで、ワクチンの中には禁止薬物は含まれておらず、接種直後に発熱や注射の痛みなど一時的な反応が出る可能性はあるものの「これまでに承認されたワクチンが持続的なパフォーマンスの低下を引き起こすという証拠はない」と述べてパフォーマンスへの影響を否定しました。

東京大会に向けた選手のワクチン接種を巡っては、すでにイスラエルやハンガリーなど一部の国では接種が始まっていますが、IOCは高齢者や医療関係者への接種を優先すべきとしていて、各国や地域で東京大会までに選手のワクチン接種が進むかどうか、先行きは不透明です。