JTB 資本金を23億円余から1億円に大幅減資へ

大手旅行会社のJTBは、新型コロナウイルスの影響で業績が悪化する中、およそ23億円の資本金を1億円に減らす、大幅な減資を行うことがわかりました。財務基盤の健全化をはかるとともに、税負担の軽減を受けるねらいもあると見られます。

JTBは今月12日に開かれた株主総会で、23億400万円の資本金を1億円に減らす減資を行うことを決め、来月末に実施するということです。

大幅な減資の目的について、JTBは「新型コロナウイルスの感染拡大で旅行需要が大きく落ち込んだ影響で、悪化している財務基盤の健全化を図るためだ」としています。

JTBは今年度1年間のグループ全体の業績について、経常損益が過去最大の1000億円の赤字となる見通しを公表していて、経営の立て直しに向けて、国内外で合わせて6500人の社員を削減することや、国内に115ある店舗を統廃合で削減する計画を示しています。

企業は資本金が1億円以下になると中小企業とみなされ、税制上の優遇措置を受けられるため、今回の大幅な減資にはこうした措置を受けるねらいもあると見られます。