中国で3年前に拘束され服役 伊藤忠商事の社員が出所 帰国へ

中国で3年前に拘束され、国家の安全に危害を与えたとして実刑判決を言い渡された大手商社、伊藤忠商事の40代の男性社員が、刑期を終えて出所したことが明らかになりました。近く帰国する見通しです。

伊藤忠商事に勤める40代の男性社員は、中国で3年前の2018年2月にスパイ行為などを取り締まる南部広州の国家安全局に拘束され、その後、広州の裁判所で「国家の安全に危害を与えた罪」で懲役3年の実刑判決を言い渡されました。

日中関係筋によりますと、男性社員は中国の刑務所で服役していましたが20日に刑期を終えて出所し、近く帰国する見通しです。

男性社員は当時、日本国内で勤務していて、中国を訪れた際に拘束されたということですが、どのような行為が罪に問われたのかは明らかになっていません。

中国では2015年以降、当局がスパイ行為に関わったなどとして日本人を相次いで拘束していて、いまも8人が帰国に至っていません。
このうち7人が有罪判決を受けて服役中で1人は公判中です。

加藤官房長官「できるかぎりの支援行う」

加藤官房長官は午後の記者会見で「40代の邦人男性が刑期を満了し出所したことは確認している。現在、出国に向け中国に滞在中であり政府としても帰国に向けできるかぎりの支援を行っていきたい」と述べました。

また、加藤官房長官は「一連の拘束事案では今回出所した1人以外に8人が帰国に至っていない。この8人のうち7人は刑が確定し残り1人が公判中と承知している。政府としては邦人保護の観点から領事による面会や家族との連絡など、できるかぎりの支援を行っていきたい」と述べました。

そのうえで「これらの事案に関し、中国側に対してさまざまな機会を通じて早期帰国の実現や司法プロセスにおける透明性の確保などを働きかけている。今後とも中国に対して働きかけを行っていく」と述べました。