大相撲 時津風親方に「退職勧告」の懲戒処分 日本相撲協会

大相撲の元幕内 時津海の時津風親方が、感染防止のために不要不急の外出を禁止する行動制限に反して、先月マージャン店などに繰り返し出入りしていたとして、日本相撲協会は「退職勧告」の懲戒処分としました。時津風親方は、22日付で退職しました。

日本相撲協会は22日、東京 両国の国技館で臨時の理事会を開き、不要不急の外出が禁止されていた、先月の初場所中に行動制限に違反して外出し、マージャン店に出入りしていたことが分かった、元幕内 時津海の時津風親方の処分について協議しました。

相撲協会のコンプライアンス委員会の調査によりますと、時津風親方は初場所中にマージャン店だけでなく、マッサージ店や風俗店にも出入りするなど外出を繰り返していたということです。

相撲協会は、時津風親方が過去に懲戒処分を受けているにもかかわらず、反省の態度や師匠としての自覚がみじんも見て取れず、厳しい非難に値するなどとして、退職勧告の懲戒処分としたうえで、退職金の30%減額を決めました。

時津風親方は22日付で退職しました。

時津風親方は不要不急の外出が禁止された去年9月の秋場所前にも、居酒屋で飲食をしたりゴルフに行ったりしたとして、秋場所後に委員から年寄へ2階級「降格」の懲戒処分を受けていました。

相撲協会は師匠が退職した時津風部屋について、元前頭筆頭 土佐豊の間垣親方が年寄 「時津風」を襲名し、時津風部屋を継ぐことを発表しました。

不滅と言われる69連勝の元横綱 双葉山が興した名門の時津風部屋は、2代続けて不祥事を理由に師匠が交代することになりました。

芝田山広報部長「理事全員が納得しての決議」

日本相撲協会の芝田山広報部長によりますと、時津風親方は処分を言い渡されたあと「すみませんでした」などと、謝罪のことばを述べたということです。

「退職勧告」は「懲戒解雇」に次いで2番目に重い処分に当たりますが、芝田山親方は「理事全員が納得しての決議で異論は出なかった」と説明していました。

名門部屋で2代続けて師匠が不祥事で交代

時津風部屋は不滅と言われる69連勝の大横綱 双葉山が親方を兼ねて、弟子の指導ができる「二枚鑑札」を許可され、昭和16年に創設した双葉山相撲道場が始まりです。

昭和20年に双葉山が現役を引退し、12代の年寄・時津風を襲名したことで時津風部屋となりました。

かつて双葉山と元大関 豊山の2人が、日本相撲協会の理事長に名を連ねるなど、角界の中核を担ってきた名門です。

しかし、平成19年に力士が暴行を受けて死亡した事件で。15代の当時の時津風親方が解雇され、元幕内の時津海が33歳で現役を引退し、第16代の年寄・時津風を襲名しました。

ところが、その16代は違反を繰り返して22日付で退職し、元横綱・双葉山が興した名門の時津風部屋は、2代続けて不祥事を理由に師匠が交代することになりました。

相撲協会には7つの懲戒処分 過去には

日本相撲協会では、平成26年の公益財団法人化に伴って「賞罰規程」を設け力士や親方、それに行司などすべての協会員を対象に7つの懲戒処分を定めています。

処分は軽い順に
▽将来を戒めることを意味する「けん責」、
▽減給にあたる「報酬減額」、
▽本場所などへの出場を停止する「出場停止」、
▽相撲協会の事業への従事を停止する「業務停止」、
▽現役力士の番付や、親方の階級を下げる「降格」、
▽力士の場合は引退、親方の場合は退職を勧告する「引退勧告」と「退職勧告」、
▽それに最も重い「懲戒解雇」です。

また「引退勧告」と「懲戒解雇」の処分を受けた場合、再び相撲協会に所属することはできないと定めています。

日本相撲協会によりますと、賞罰規程が設けられて以降「引退勧告」以上の処分を受けたのは、平成27年10月、元十両 金親の当時の熊ヶ谷親方が、雇っていた運転手の男性に対する傷害の罪で起訴されたことを受けての「懲戒解雇」と、平成30年3月、無免許で車を運転していたとして道路交通法違反の罪で略式起訴された、元幕内 大砂嵐が「引退勧告」の処分を受けて現役を引退したケースがあるということです。