新型コロナのワクチン第2便 成田空港に到着 45万回余接種可能

新型コロナウイルスのワクチンを載せた航空機の第2便が21日午前、成田空港に到着しました。

国内で初めて承認されたアメリカの製薬大手ファイザーのワクチンは、生産工場のあるベルギーから、21日午前10時に成田空港に到着しました。
ワクチンは、ドライアイスとともに専用の箱に入れられ、航空会社のスタッフがコンテナなどを慎重に取り出していました。

その後、貨物専用の車両で倉庫まで運ばれ、荷解きしてトラックに積み替えられたあと、午前11時すぎに空港の外にある保管場所へと出発しました。

ファイザーのワクチンが、日本に空輸されるのは今月12日に続いて2回目で、政府によりますと、今回は最大で45万回余り接種できる量が届いたということです。

第1便と合わせると、最大で83万8000回分余り、人数にして42万人分近くが確保されたことになります。

政府は、来月1日からの2週間で、医療従事者向けに最大117万回分を配分する予定で、EU=ヨーロッパ連合から許可が得られしだい、追加で日本に空輸する方針です。

一方、優先接種を受ける医療従事者は、当初の370万人からおよそ100万人増える見込みで、今後、日本へのワクチンの供給などが順調に進まなければ、高齢者を含めた接種の時期などに影響が出てくることも予想されます。

ワクチン確保の状況と今後

政府によりますと、これまでに日本に空輸されたファイザーのワクチンは、1つの容器から6回分を採取できると想定した場合、
▽今月12日に到着した第1便が38万6100回分、
▽今回の第2便が45万2790回分となっています。

合わせると、
▽83万8890回分で、
▽人数にすると41万9445人分になります。

これに対し、
▽今月17日に始まった医療従事者への先行接種におよそ4万人分、
▽続いて優先接種を受ける医療従事者にはおよそ470万人分が
必要になる見込みです。

また、政府は
▽4月には65歳以上の高齢者およそ3600万人を対象に接種を始めたいとしています。

一方、日本がファイザーのワクチンの供給を受けるにはEU=ヨーロッパ連合の承認が必要で、世界的にワクチンの需要が高まる中、日本への供給が順調に進むかは不透明です。

また、1つの容器から6回分のワクチンを採取できる注射器は、国内では一般的に使われていないため、思うように確保できなければ、高齢者を含めた接種の時期などに影響が出てくることも予想されます。

空港到着から保管までの流れを公開

今回の第2便では、ワクチンを載せた航空機が成田空港に到着して空港の外に向けて運び出されるまでの一連の流れが初めて報道陣に公開されました。

21日午前10時にワクチンを載せた航空機が到着すると、航空会社のスタッフが、ドライアイス入りの専用の箱に入れられたワクチンを搭載したコンテナなどを慎重に取り出していました。

ワクチンは、全日空の倉庫まで貨物専用の車両を使って運ばれ、荷解きしてトラックに積み替えられたあと、到着からおよそ1時間15分後の午前11時15分ごろ、空港の外にある保管場所に向けて出発しました。