コロナワクチン 国内初の副反応の疑い 富山県でじんましん発生

新型コロナウイルスのワクチンをめぐり、政府は医療従事者向けの先行接種が始まった富山県の病院で、副反応の疑いがある、じんましんの発生があったと公表しました。国内での接種で副反応の疑いが公表されるのは初めてです。

新型コロナウイルスのワクチン接種はおよそ4万人の医療従事者を対象に今月17日から始まり、各地で進められています。

これについて、政府は、19日から接種が始まった富山県の富山労災病院で、副反応の疑いがある、じんましんの発生があったと、総理大臣官邸のツイッターで公表しました。

そのうえで「厚生労働省は、引き続き、副反応の疑い事例について情報の収集に努めるとともに、接種後15分以上は、接種会場で様子を見るなどの安全対策の周知に努めていく」としています。

厚生労働省によりますと、ワクチンの接種を受けた人は、19日午後5時の時点で5039人となっていて、国内での接種で副反応の疑いが公表されるのは初めてです。

専門家「過度に心配する必要ない」

ワクチンに詳しい北里大学の中山哲夫特任教授は「じんましんは、インフルエンザのワクチンなどワクチン全般にみられる軽度の副反応なので、過度に心配する必要はない。現在、接種しているワクチンに含まれる『ポリエチレングリコール』という物質はこうした副反応が出る可能性が知られていて、仮に副反応だったとしても特別異常なケースではないと考えられる」と話しています。

そのうえで「副反応が重いか軽いかを判断するためにも、接種後に体調の変化を確認することは非常に重要で、接種会場には最低15分は待機できる場所を設ける必要がある。アナフィラキシーのような激しいアレルギー反応が出る可能性もあり、接種を進める側は安全に確実に接種できるような環境を整えることが大事だ」と話しています。