【最新情報】ワクチン あさって第2便到着 都道府県配分は?

新型コロナウイルスのワクチンについて、河野規制改革担当大臣は21日に第2便が到着することを明らかにするとともに、来月以降、医療従事者向けに最大で117万回分を都道府県に配分すると発表しました。ワクチンをめぐる最新の動きをまとめています。

ワクチン接種を担当する河野大臣は記者会見で、EU=ヨーロッパ連合からの第2便としてアメリカの製薬大手ファイザーなどが開発したワクチンが21日に到着することを明らかにしました。

また、河野大臣は各都道府県からの報告を踏まえ当初の想定より100万人多いおよそ470万人の医療従事者への接種に向け、来月1日から2週間で都道府県に配分する予定の数量を発表しました。

その配分がこちらの図です。
全国で合わせて1000箱で、来月1日の週に500箱、来月8日の週にも500箱が各地に出荷される見込みです。

ひと箱には最大6回分のワクチンが採取できる「バイアル」と呼ばれる容器が195個入っているということで、接種回数に換算すれば最大117万回分となります。
各都道府県には医療従事者などの数に応じて配分され、最も多く出荷されるのは
▽東京都で合わせて98箱で、1つの容器から6回分とれるとすると11万4660回分となります。
続いて
▽大阪府が合わせて72箱、8万4240回分
▽神奈川県が合わせて56箱、6万5520回分
▽福岡県が合わせて52箱、6万840回分
▽愛知県と北海道がそれぞれ合わせて50箱、5万8500回分
▽埼玉県と兵庫県がそれぞれ合わせて42箱、4万9140回分
▽千葉県が合わせて40箱、4万6800回分などとなっています。

最も少ないのは
▽福井県、山梨県、鳥取県、島根県で、それぞれ合わせて6箱で7020回分となっています。

河野大臣は「『ワクチンが順調に入ってくれば』という前提ではあるが予定している数量をお配りしたい。やや自転車操業かもしれないが、しっかりとスタートさせたい」と述べました。

また、河野大臣は全国知事会の飯泉会長らとオンラインで会談し、医療従事者への先行接種について「きのう午後5時の時点で16の施設で611人に行われた。今のところ副反応やその他の問題は報告されていない」と説明しました。

そのうえで来月以降、都道府県に配分するワクチンについて「ヨーロッパからの第2便があさって到着し、その後もEUから入ってくるという想定で私の責任で1000箱を決めさせていただいた。1000箱で1回目の接種を受けた人に対し3週間後までに2回目の接種用として別の1000箱を改めて届けたい」と述べました。

また、河野大臣は「4月のどこかの時点で高齢者への接種についても、ゆるゆると段取りを丁寧に確認しながらスタートさせていただきたい」と述べました。

先行接種 きょうも各地で<大阪>

医療従事者を対象にしたワクチンの先行接種は19日、大阪府内の病院でも始まりました。
大阪 中央区にある「国立病院機構大阪医療センター」には18日、ワクチンが届き、マイナス75度前後で保管されていました。

19日は、そのワクチンを解凍して打てる状態に希釈したものが用意され、看護師が規定の量を注射器に詰める作業が行われました。

午後1時すぎ、接種を受ける医療従事者が集まると担当の医師が健康状態を確認しワクチンの接種を行いました。
そのあと接種を受けた人は隣の待機スペースに移動し、急な体調の変化などの副反応が起きないか15分ほど健康状態を確認していました。

この病院では、医療従事者や委託の職員などおよそ1280人が接種を希望しています。

ワクチンは1つの容器から6回、接種ができる特殊な注射器が使われるため、病院では1日の人数を6の倍数になるよう準備し19日は222人が接種を受ける予定です。

接種を受けた看護師の女性は「何かあった時のことを考え利き手ではない左に打ちましたが、ぜんぜん痛くなく副反応のような症状もありませんでした。早めに打ちたかったのでよかったです。これまでと変わらず感染対策をしっかり行って現場に臨みたい」と話していました。

先行接種 きょうも各地で<栃木>

栃木県内でもワクチンの接種が始まり、宇都宮市にある国立病院機構宇都宮病院では手順の確認もかねて医師や看護師など6人に接種が行われました。
医師らは予診票を提出して1人ずつワクチンの接種を受けたあと、同じ部屋で15分ほど待機して副反応がみられないか確認していました。

ワクチンの接種を受けた看護師は「インフルエンザのワクチンよりも痛くなかったです。今までよりも安心して業務にあたることができます」と話していました。

宇都宮病院では職員の9割近くにあたる397人がワクチンの接種を希望していて、病院は今月から来月にかけて接種を実施することにしています。
国立病院機構宇都宮病院・田中孝昭 院長
「新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるために早く皆さんに打ってもらいたい」

住民接種への準備も進む

1. 「ドライブイン接種」訓練<岐阜>

住民のワクチン接種に向けた取り組みも各地の自治体で進んでいます。岐阜県の笠松町と岐南町は車に乗ったまま受けられる「ドライブイン接種」を行うことにしていて、関係者が病院の立体駐車場を使って訓練を行い一連の手順を確認しました。
笠松町と岐南町は地元の羽島郡医師会の提案で、会場での感染を防ぐため車に乗ったまま受けられる「ドライブイン接種」を集団接種の1つとして行うことにしています。

19日は笠松町にある総合病院の立体駐車場で訓練が行われ、医師や看護師などおよそ30人が参加しました。
訓練では停車させた10台の車を医師や看護師が1台ずつ巡回して受け付けや問診をしたうえで、車内にいる人にワクチンを接種し15分の経過観察までの手順を確認していました。

2つの町では4月から予定している65歳以上の高齢者への接種から「ドライブイン接種」の導入を目指すとしています。

羽島郡医師会の松波英寿 会長は「車が隔離スペースとして使え作業を分業化すれば比較的早くワクチンを接種できる。訓練で出てきた問題点を改善し接種を進めたい」と話していました。

2. 「ご当地商品券」配布で接種促す<埼玉>

埼玉県宮代町は多くの人に新型コロナウイルスのワクチンを接種してもらおうと、接種した16歳以上の町民に町内のおよそ120の店舗で使えるご当地商品券を配る方針を決めました。

商品券は接種するごとに1000円分で、2回接種することで1人2000円分を受け取れるということです。

町はワクチン接種で感染拡大を抑えるとともに、新型コロナで打撃を受けた地域経済の活性化にもつなげたいとして、およそ6000万円を補正予算案に計上しました。
新井康之 町長
「ワクチンを1人でも多くの方に接種してもらうことで発症や重症化のリスクを抑え、新型コロナの時代を早く終わらせたい」
立石授さん(町内で野菜の直売所・カフェ営む)
「地域の活性化になってすごくよいと思う。早く普通の生活に戻ってほしい」

3. 外国人の接種へ対応も<神奈川>

神奈川県内の自治体では、外国人のワクチン接種に向けて準備を進めているところもあります。
このうち綾瀬市は人口に占める外国人の割合がおよそ5%と県内の市の中で最も高く、接種に必要なクーポン券や同封する説明の文章を平易なことばを使った「やさしい日本語」でも記載することにしています。
また、集団接種の会場にはタブレット端末を配置し、オンラインで通訳を介して医師の問診などが受けられるようにするということです。
綾瀬市健康づくり推進課・今井美智代 課長
「医療用語にも対応できる通訳サービスなので、接種に不安を感じている外国人の方がいても安心して接種してもらえるようにしたい」
また、大和市では市内に80を超える国や地域の外国人およそ7300人が住んでいることから、接種会場の1つに20の言語に対応できるようボランティアの通訳を配置することを決めました。

市では高齢者への優先接種が終わったあと、ことし6月以降にこうした対応を始める予定で、通訳を利用するには事前の予約が必要だということです。
大和市・大木哲 市長
「ことばの壁を少しでもなくし、外国人の方も安心してワクチンを接種できるよう準備したい」

今後のスケジュールは?

ワクチン接種のスケジュールです。

政府は16歳以上を対象に無料でワクチンを提供する計画で、対象者には優先順位をつけています。

17日から接種が始まった医療従事者への先行接種は全国の100か所の病院で合わせておよそ4万人を対象に行われ、来週にはすべての病院で始まる見通しです。

また、先行接種の対象となっていない、残るおよそ470万人の医療従事者についても早ければ今月中にも接種が始まる見通しが示されています。

また、4月からは65歳以上の高齢者、およそ3600万人を対象に接種を始めることにしています。この「65歳以上の高齢者」には現時点で65歳以上の人だけでなく、来年度中(令和3年度)に65歳になる人も含まれます(昭和32年4月1日以前に生まれた人)。

その後、基礎疾患のある人およそ820万人や高齢者施設の職員およそ200万人などを優先しながら順次接種を進める方針ですが、具体的な時期はまだ示されていません。