少年法などの改正案を決定 18歳 19歳は「特定少年」と位置づけ

成人年齢の引き下げに合わせて、政府は、少年法などの改正案を決定し、国会に提出しました。18歳と19歳は、引き続き保護の対象とする一方、「特定少年」と位置づけ、家庭裁判所から検察官に逆送致する事件の対象を拡大し、起訴された場合には実名報道を可能としています。

来年4月に成人年齢が18歳に引き下げられるのに合わせて、政府は、19日の閣議で、少年法などの改正案を決定し、国会に提出しました。

この中では、新たに成人となる18歳と19歳は引き続き少年法の保護の対象とする一方で「特定少年」と位置づけています。

そして、事件を起こした場合は、すべて家庭裁判所に送致する仕組みを維持したうえで、新たな処分や手続きとして、家庭裁判所から検察官に原則逆送致する事件の対象を拡大することが盛り込まれました。

また、起訴された場合には、実名や本人と推定できる情報の報道を可能にするとしています。

一方、改正案の付則には、施行から5年後に、社会情勢などの変化を踏まえて、18歳と19歳に関する制度の在り方を見直すことも盛り込まれています。

政府は、今の国会での成立を目指すことにしています。

改正案のポイント

改正案では、現在、20歳未満としている「少年」の定義は維持されています。

18歳と19歳は、引き続き保護の対象とする一方、17歳以下とは異なる立場として、「特定少年」と位置づけ特例規定が設けられました。
この中では、事件を起こした場合は、すべて家庭裁判所に送致する仕組みを維持したまま、家庭裁判所から検察官に原則逆送致する事件の対象を拡大しています。

具体的には、殺人や傷害致死など、故意に人を死亡させた罪に加え、新たに、強盗や強制性交、放火など、法定刑の下限が1年以上の罪が追加されています。

また、少年の実名や本人と推定できる情報の報道は現在禁止されていますが、改正案には、18歳と19歳の「特定少年」による事件が、起訴された場合は実名などの報道を可能にする規定が盛り込まれています。

「特定少年」と「成人」

現在の少年法は、20歳未満を「少年」と規定し保護の対象としていて、家庭裁判所が事件の背景や家庭環境を調査するなど、「成人」とは異なった特別な手続きを定めています。

「少年」の健全な育成を目的に、刑罰を与えることよりも立ち直りを重視しているためです。

今回の改正案では、18歳と19歳は、引き続き少年法が適用されるとする一方、「特定少年」と位置づけ、20歳以上、17歳以下とは異なる新たな処分や手続きが設けられました。

また、改正案の付則には、施行から5年後に、社会情勢などの変化を踏まえて、18歳と19歳に関する制度の在り方を見直すことが盛り込まれました。

民法の改正で、来年4月には成人年齢が20歳から18歳に引き下げられるため、改正案が成立すれば、18歳と19歳は「成人」となる一方、少年法では「特定少年」として保護されることになります。

子どもと大人の間のような立場に位置づけられる18歳と19歳は、これまでよりも扱いが厳しくなることで、犯罪の抑止につながるという意見がある一方、立ち直りの妨げになるという指摘もあります。

このため、立ち直りを支援する仕組みが効果的に機能するのか、法律の実効性も問われることになります。

上川法相「若年者の更生や再犯防止などに関わる問題」

上川法務大臣は、閣議のあとの記者会見で、少年法を適用する年齢について「成長過程にある若年者の改善や更生、再犯防止などに関わる問題であり、民法の成人年齢と一致しなければならないものではない。18歳と19歳の事件はすべて家庭裁判所に送致するという、少年法の基本的な枠組みを維持することが適当だ」と述べました。