新型コロナ「第3波」 入院時点で重症やその後の死亡が増加

新型コロナウイルスの感染拡大の「第3波」にあたる去年11月に入院した患者は、その前の時期より入院の時点で重症だった人が増え、その後亡くなった割合もやや増えたことが国立国際医療研究センターなどが全国各地の入院患者の経過を分析した結果、分かりました。病床がひっ迫する中、高齢者など重症化リスクの高い人が多く入院していたことを反映していると見られています。

国立国際医療研究センターは、全国各地の医療機関の協力を得て新型コロナウイルスで入院した患者の経過を調べていて、去年11月末までに入院したおよそ1万9000人について解析した結果が18日開かれた厚生労働省の専門家会合で示されました。

それによりますと、感染拡大の「第3波」にあたる11月に入院した患者は全国で3053人登録されていて、入院の時点で人工呼吸器が必要など、重症だった患者は632人と入院患者全体の20.7%で、その前の6月から10月までの5か月間の16.9%より多くなっていました。

また、11月には入院時に軽症や中等症だった患者で亡くなった人は1.4%で、その前の5か月間とほぼ変わらなかった一方、入院時に重症だった患者では12.3%が亡くなり、9.5%だったその前の5か月間よりやや増加していました。

入院患者のうち、60代以上の割合は11月には45.7%とその前の5か月間の35.6%より増えていて、厚生労働省は「病床がひっ迫する中で、重症化リスクが高い高齢者などが中心に入院していたことが反映されている」としています。