【詳しく】ワクチン先行接種各地で スケジュールなど最新情報

新型コロナウイルスのワクチンが18日、各地に到着し、次々に医療従事者を対象にした先行接種が行われました。

私たちはいつ、接種を受けられるのか?
今後のスケジュールは?
接種に必要なクーポンとは?

ワクチンをめぐる最新の情報をまとめました。

ワクチン接種各地で<茨城>

茨城県内では茨城町の国立病院機構水戸医療センターで初めての接種が行われました。

院長など医師や看護師ら6人が予診票をもとに
▽過去の病気や、
▽アレルギーがあるかなどの問診を受けたあと、
接種を受けました。

接種はすぐに終わり受けた人たちは「押されるような感じはあるが痛みはほとんどないです」などと話していました。

水戸医療センターでは医師や看護師など合わせておよそ530人が先行接種を受ける予定だということです。
先行接種の責任者を務めみずからも接種を受けた湯沢賢治 臨床研究部長は「新型コロナの唯一の武器がワクチンだ。免疫反応で熱や痛みが出ることはあるが命を守るワクチンであり積極的に打つべきだと呼びかけていきたい」と話していました。

ワクチン接種各地で<広島>

医療従事者を対象にした新型コロナウイルスのワクチン接種が広島県内の医療機関でも始まりました。

広島県内では4つの病院が対象になっていて、このうち大竹市にある「広島西医療センター」には18日昼すぎに585人分のワクチンが到着し、接種を希望するセンターの医師や看護師、事務職員などおよそ470人のうち12人が接種を受けました。
12人は接種後、会場の部屋に15分ほど待機してワクチンの副反応が出ないか体調を確認しましたが、病院によりますと目立った副反応はなかったということです。

この病院では来月中旬までに希望者全員を対象に2回の接種を終えたいとしています。

接種を受けた看護師の女性は「副反応が心配でしたが感染してはいけないので接種することにしました。痛みはインフルエンザと同じか少ないくらいでした」と話していました。
奥谷卓也 院長
「ワクチンによって感染が終息すればという期待感があります。医療従事者だけでなく、なるべく多くの人に早く接種してもらえるように努力したい」

菅首相 ワクチン接種の様子を視察

菅総理大臣は18日、東京 目黒区の国立病院機構東京医療センターを訪れワクチン接種の様子を視察したほか、病院の幹部らと意見を交わしました。

このあと菅総理大臣は記者団に対し「新規感染者が大幅に減少し状況が改善されているという話をうかがい、医療現場の努力に改めて敬意を表したい。対策をより一層進めて入院者や重症者の減少に努めたい」と述べました。

そのうえで「4月に高齢者へのワクチン接種が始まるので1日も早く全国の皆さんに届けたい。全国で安心して接種できるよう、さまざまな情報を速やかに公開して発信できるようにしたい」と述べ、接種体制の構築を急ぐ考えを示しました。

一方、菅総理大臣は記者団が「緊急事態宣言の期限前の解除についてどう考えるか」と質問したのに対し「現場の状況の分析を専門家からうかがいながら最終的に判断していきたい」と述べました。

住民の集団接種へシミュレーションも<新潟>

住民の接種に向けた取り組みも進んでいて、新潟県新発田市では集団接種に備えたシミュレーションが行われました。

民間の施設を会場にして行われた集団接種のシミュレーションには医療関係者や市民らおよそ170人が参加しました。

受け付けで消毒や検温を済ませた人にアレルギーの有無などを記入してもらい、医師による健康状態の聞き取りに進みます。

そして指定されたブースに移り、実際に腕に注射器をあてて接種を受けるまでの流れを確かめていました。

会場には副反応が出た人に待機してもらう場所も用意され、接種のあと15分程度、経過観察をすることも確認していました。

参加した男性は「緊張しました。誘導などはスムーズだったと思います」と話していました。

また、別の男性は「少し待たされ分かりにくいこともありました。本番が少し不安です」と話していました。

混雑を避けるため集合時間を2回に分けましたが、受け付けなどが混み合う時間帯もあり今後の課題となりました。
新発田市・二階堂馨 市長
「集団接種に向けて決まっていないことも多いが、とにかくやってみなければ分からないと考えシミュレーションを行いました。本番はより時間がかかると思いますができるかぎりのことをして備えたいです」

今後のスケジュールは?

ワクチン接種のスケジュールです。

政府は16歳以上を対象に無料でワクチンを提供する計画で、対象者には優先順位をつけています。

17日から接種が始まった医療従事者への先行接種は全国の100か所の病院で合わせておよそ4万人を対象に行われ、来週にはすべての病院で始まる見通しです。

また、先行接種の対象となっていない、残るおよそ370万人の医療従事者についても早ければ今月中にも接種が始まる見通しが示されています。

また4月からは65歳以上の高齢者、およそ3600万人を対象に接種を始めることにしています。この「65歳以上の高齢者」には現時点で65歳以上の人だけでなく、来年度中(令和3年度)に65歳になる人も含まれます。(昭和32年4月1日以前に生まれた人)

その後、基礎疾患のある人およそ820万人や高齢者施設の職員およそ200万人などを優先しながら順次接種を進める方針ですが、具体的な時期はまだ示されていません。

接種に必要な「クーポン」

新型コロナウイルスのワクチンの接種を受けるために必要なのが、クーポン=接種券です。

対象者には住民票を登録している自治体から事前に「クーポン=接種券」が送られるので、そのクーポンを会場に持っていくというのがおおまかな流れです。

厚生労働省によりますと、まず高齢者にクーポンが配られ、その後、それ以外の人に配布されます。

このうち高齢者へのクーポンは3月下旬に発送が始まる予定です。

クーポンには名前や管理番号などが記載されていて、ワクチンの接種会場に持って行けば無料で接種を受けることができます。

ただ会場についてはまだ具体的に固まっていないというところも少なくありません。検討されているのは医療機関や公民館、それに学校の体育館など。人が集まりやすい商業施設を検討している自治体もあります。

「住民票登録地」と違う場所で接種できる人とは?

接種は原則として住民票を登録している市町村で受けることになりますが、やむをえない事情がある場合は、それ以外の市町村でも受けることができます。

●やむをえない事情
▽出産のために帰省している妊産婦
▽単身赴任している人
▽下宿している学生
▽DV=ドメスティック・バイオレンスやストーカー行為、児童虐待などの被害者
▽入院・入所している人
▽基礎疾患のある人が主治医のもとで接種する場合
▽災害の被害にあった人
▽勾留・留置されている人
▽受刑者
▽市町村長がやむをえない事情があると認めた人

住民票の登録地以外での接種を希望する場合は、原則として接種の対象になっている期間中に希望する市町村に対し事前に届け出を行う必要があります。

申請の方法としては、
▽必要な書類を送る「郵送申請」
▽書類を直接提出する「窓口申請」
▽厚生労働省が設置するウェブサイトで提出する「ウェブ申請」の
3つがあるということです。

申請を行うことができるのは本人が接種の対象となっている期間で、申請を行えないやむをえない事情がある場合は申請を省略することも認められています。