南アフリカ ジョンソン&ジョンソンのワクチン接種開始

変異した新型コロナウイルスの感染が広がる南アフリカで、ワクチンの接種が始まりました。南アフリカ政府は、研究の枠組みを使って始めたものだとしていて、接種には、当初予定していたイギリスの製薬大手アストラゼネカなどが開発したワクチンではなく、アメリカの製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチンを使用しています。

南アフリカでは、去年12月、イギリスとは別の変異ウイルスが確認され、第2波のピークが過ぎた今も、感染が広がっていて、感染者はこれまでにアフリカ大陸で最も多い、149万人を超えています。

こうした中で、17日、南部の主要都市ケープタウンの病院では、ジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチンの接種が始まり、医療関係者のほか、ラマポーザ大統領も接種を受けました。

南アフリカ政府は、接種は研究の枠組みを使って開始したもので、今後、広く進めるとしています。

アストラゼネカなどが開発したワクチンをめぐっては、WHO=世界保健機関が緊急使用のリストに加えたと発表していますが、南アフリカ政府は、初期段階の臨床試験の結果、南アフリカで確認された変異ウイルスに対しては軽度から中程度の症状を防ぐ効果が低い可能性があるとして、接種の開始を見合わせています。

南アフリカ政府は、人口の67%にあたるおよそ4000万人分のワクチンの確保を目指していますが、今回輸入されたジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチンは8万回分で、目標の量の確保には時間がかかる見通しです。

世界では先進国などに比べて途上国でワクチンの確保や接種時期が遅れる「ワクチン格差」が課題となっています。