地銀決算 最終損益「赤字・減益」全体の半数余に コロナ影響

全国の地方銀行の第3四半期の決算が出そろい、最終的な損益が「赤字」または「減益」になった地銀が、全体の半数余りに上りました。超低金利に加え、新型コロナウイルスの影響が引き続き収益を圧迫しています。

野村証券によりますと、株式を上場している全国78の地方銀行の去年4月から12月までの決算は、2つの地銀が「赤字」、38の地銀が「減益」となり、全体の半数余りに上りました。

超低金利や人口減少に加え、新型コロナウイルスの影響で将来の貸し倒れに備えた費用がかさんだことが響きました。

貸し倒れに備えた費用は、一連の資金繰り支援策によって倒産件数が低い水準で推移していることもあり、当初の想定よりは増えていないということですが、第3四半期の地銀の最終利益の合計は、前の年の同じ時期より18%減少しました。

地銀の経営環境が厳しさを増す中、政府と日銀は地銀の経営基盤の強化を制度面から促すことにしています。

野村証券の高宮健アナリストは「政府と日銀の施策によって全国の地銀の間で改革の競争が活発になる可能性がある。今後、再編につながるかどうか、注意深く見ていきたい」と話しています。