ワクチン接種 自治体の準備スケジュール 一部遅らせる可能性も

新型コロナウイルスのワクチン接種に向けて、厚生労働省は17日に自治体向けの説明会を行い、来月末までの期間は十分な供給量が見込めないことから、これまで自治体に求めた準備スケジュールの一部を遅らせる可能性があることを明らかにしました。

アメリカの製薬大手ファイザーのワクチンが今月14日に承認されたことを受けて、厚生労働省は17日に全国の市町村を対象にした説明会をオンラインで行いました。

このなかで、4月から高齢者を対象にした接種が始まる見込みなのを前に、高齢者へのクーポン=接種券を来月下旬に発送するなど、自治体に求める準備のスケジュールを改めて示しました。

そのうえで、ワクチンの供給が世界的にひっ迫している影響で、来月末までのことしの第1四半期は十分な供給量が見込めないため、高齢者への接種券の発送時期などを遅らせる可能性があることを明らかにしました。

また、解凍したワクチンは振動を与えると品質や有効性が低下するおそれがあるとして、移送の際の注意点を示し、冷凍庫に入れたまま凍った状態で運ぶことや、冷蔵の場合は国が用意する保冷バッグに入れ固定して運ぶことなどを求めました。

そのうえで、自治体に対して来月中旬ごろまでに、接種に向けた計画を策定するよう求めました。

厚生労働省は、今後もスケジュールなどの見通しを自治体に伝えていくとともに準備に向けた支援を進めるとしています。

自治体の準備状況 厚労省調査

新型コロナウイルスのワクチン接種に向け、特設会場で接種にあたる医療従事者を確保できる見込みの自治体は、先月末の時点で全体の2割だったことが厚生労働省の調査でわかりました。

厚生労働省は自治体への支援の強化を進めています。厚生労働省は全国の1734の市町村を対象にワクチン接種に向けた先月末時点での準備状況についてアンケート調査を行い、このうち79%にあたる1369の市町村から回答を得ました。

それによりますと、このうち集団接種などを行う特設会場で必要な医療従事者の確保については
▽「実施済み」が2%、
▽「実施できる見込み」が20%
▽「検討中」が61%、
▽「未着手」が9%でした。

特設会場の選定については
▽「実施済み」が22%、
▽「実施できる見込み」が27%、
▽「検討中」が42%、
▽「未着手」が2%で、
▽特設会場を設置しないなどの「実施不要・非該当」が7%でした。

また、地域で接種を行える医療機関を把握しているかについては
▽「実施済み」が20%、
▽「実施できる見込み」が34%、
▽「検討中」が38%、
▽「未着手」が6%、
▽「実施不要・非該当」が2%でした。

厚生労働省は自治体に対して、来月中旬ごろまでに接種に向けた計画を策定するよう求めていて、準備を進める自治体への支援の強化を進めています。